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ITの取材現場からインサイトを伝える「エンプラ」編集長ブログ

SOAでe-ラーニングも連携の時代に

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 OS/2とWindowsが次世代OSの覇権を激しく争っていた1990年代前半、OS/2版のVisula Basic互換製品があり、アシストが日本語化して販売していた。時代のあだ花ともいえる製品だ。

 今となっては名前も思い出せないその製品を担当していた松岡秀紀さんとの付き合いは、それ以来だからもう随分と長い。

 松岡さんは、そのあとに移った日本オラクルでも引き続き開発ツールを担当したが、インターネットバブル前夜に独立、1999年には現在のシステム・テクノロジー・アイを設立した。翌年、奥さんが経営していた技術者向けの研修会社と合併してラーニング事業を本格化、2002年には東証マザーズに上場し、「うまいことやったなぁ」と仲間が羨んだり、尊敬したりする存在だ。

(@_@) もたつく大手を新しい視点で出し抜く

 昨晩、そんな松岡さんがプレスを集めて近況報告したいというので、歌舞伎座にほど近い東銀座の真新しいオフィスまで出掛けてきた。最近、都内に7カ所あった集合研修用の教室を4カ所に集約したのだという。

 「猫も杓子も資格を取りたがった時代はもう過去。“オラクル・マスター・バブル”は2度と来ない」──松岡さんはそう話す。それだけオラクル認定の研修はおいしいビジネスだったのかもしれない。

 しかし、システクアイは今、研修からe-ラーニングコンテント、さらにはe-ラーニングサーバの開発・販売に事業の軸足を移している真っ最中だ。集合研修へのニーズはより実践的なワークショップ形式へと移り、知識やスキルの向上を狙いとした学習はe-ラーニング化が進むからだという。既にIT関連を中心に500近いiStudyブランドのe-ラーニングコンテントをそろえるが、2007年には倍の1000まで引き上げるほか、「iStudy Enterprise Server」と呼ばれるサーバ製品に力を注ぐ。昨年3月にバージョン1をリリースし、1年と少しで37社に導入したが、「今年は約3倍」と松岡さんは意気込む。

 「流行に乗りやすい」と松岡さんは笑うが、7月末にリリースされるバージョン2では、IBMのWebSphereを基盤とし、アイテックスの人事パッケージ、ePro_St@ffとSOA(サービス指向アーキテクチャー)対応のインタフェースによって連携するという。企業には、社員のスキル管理やe-ラーニングの活用と人事システムをシームレスに連動させられるというメリットが生まれる。ビジネスインテリジェンスで流行りの「可視化」も取り入れ、「スキルダッシュボード」なる目新しい機能も追加する。

 しかし、社員のスキルを高めれば、「赤字プロジェクト」が減らせるというものではない。多くのソリューションベンダーは「やはり肝心なのはプロジェクトマネジャーだろう」とその育成に努めるが、松岡さんはメンバー一人ひとりのプロジェクト経験とスキルを関連付け、よりきめ細かな管理を行うことが次のステップとして必要になると考え、新しいバージョンにはそのあたりの機能も盛り込んでいくという。

 昨年春、DocentとClick2learnが合併するなど、e-ラーニングサーバのリーダーたちがもたつく中、システクアイは敢えて同分野への注力を打ち出す。果たして吉と出るか?

( ..)φメモメモ この日お世話になった広報ウーマン

レジェンドPR 大橋さん

 ディジタルイクイップメント(DEC)、サイベース、オラクルと長年大手ベンダーの広報畑を歩んだあと、2001年にオルタナティブ・ブロガーのひとり、平野さんの会社(インフォテリア)に移ったが、昨年にはついに独立してしまいました。記者やライターにかなりの人気があり、発表会には直接関係のない連中もひょっこり顔を出してくるほどです。あとは……そうそう、無類の猫好きです。

 ちなみにオルタナティブ・ブログ開設でお世話になったシックス・アパートさんも彼女のクライアントだそうです。

 「大橋さん、ブロガーになりませんか?」
 「えぇ~っ……いいですよ」

 というわけで、ちかぢか大橋さんもブロガーとして登場しますのでご期待ください (^_^)v

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