シンプルだが奥が深いSAPの発表
「オルタナティブ・ブログ」がスタートしました。素晴らしいブロガーのみなさんに参加してもらえたのはもちろん、裏方ではシックス・アパートのみなさん、社内の多くの人たちに支えてもらいました。先ずは感謝したいと思います。
感謝なんてどうでもいいから酒を飲ませろ? はいはい、あわただしく始まってしまったので、キックオフもなしでしたが、ちかぢか盛大にやりましょう。
それはさておき、この「e-Day」はもともと、ITmediaがまだZDNetだった2001年に私がほぼ毎日書いていたコラム。オルタナティブ・ブログ開設を機に再開したいと考えました。とても「毎日」とはいきませんが、取材現場で見えてくるインサイトを紹介していきたいと思います。
(@_@) パッケージソフトウェアとは
先週半ば、ブログ開設準備が大詰めを迎える中、SAPジャパンが「SAP Best Practices」なるツールを発表した。同社の半ば専売特許ともいえる“ベストプラクティス”の名を冠したオファリングだ。
「シンプルだが、奥が深い」──普段は理詰めで話をする玉木SAPジャパンバイスプレジデントだが、大手町本社でのSAP Best Practices発表会はナゾかけのような切り出しだった。
SAPの強みは、創業以来30年以上、およそ2万7000社に基幹業務システムを導入してきた実績だ。特に1990年代からは徹底したインダストリー化を進め、強力なインダストリー別組織を整えてきた。市場を23の業種に分類し、世界中で実践されているビジネスの在り方をソフトウェアという形に変え、それを資産としてきたのだ。
同社のパッケージは、企業が自前で開発するものだというエンタープライズソフトウェアの常識を覆したが、WordやExcelのように買ってきてすぐ使えるものではない。「つくる」から「使う」までのあいだにまだまだ必要なことがあるからだ。それを玉木さんは「ソフトウェアの持つさまざまな可能性を絞り込む作業」と表現する。当たり前だがパッケージといえどもエンタープライズソフトウェアとなると、企業は自社の業務シナリオを作成し、それをシステムに反映させる作業工程、いわゆる「設定」が必要になるのだ。
今回発表されたSAP Best Practicesは、業務シナリオを作成し、それを実現するのに必要なプロセスを選択していくと、一連の機能設定が自動的に行われ、本番運用が可能なシステムが構築できるというツールだ。ビジネスの言葉で説明されたドキュメントも用意されるので、業務プロセスを選ぶにはITの専門知識は不要だ。ITの専門家が不足している中堅企業にはありがたいだろう。SAPでは、中堅企業向けの導入プログラムとして「mySAP All-in-One」の支援ツールとしてSAP Best Practicesを位置づけているのはそのためだ。
IT業界は、ビジネス環境の変化に即応できる柔軟なシステムを構築する「SOA」(サービス指向アーキテクチャー)が現実味を帯びてきていよいよ騒々しいが、中堅以下の企業では「先ずはERPを迅速に」(玉木さん)というニーズが強いはず。もちろん、SAPもSOAベースの「ESA」(エンタープライズ・サービス・アーキテクチャー)構想を掲げているが、それと並行して限りなく100%に近い設定の自動化を推し進めていくことになる。
( ..)φメモメモ この日お世話になった広報マン
SAPジャパン 池田さん
昨年夏、サンを退社されてしばらくハワイでプーをしていた、あの池田さんです。SAPの新しい名刺をもらいました。
「あの」と書いたのは、まだサン入社間もないころ、電子メールの誤送信で一躍有名になった人だからです。親しい女性に送ったつもりがプレス関係者に一斉同報してしまい、ちょっとした騒動になりました。しかし、そのおかげで名前を覚えてもらえ、結果オーライ。今となっては「確信犯」だったのでは? という説もあります。
ともあれ新しい職場でもご活躍を!