ぐっすり眠れる「フレームワーク使いこなしブック」
「フレームワーク使いこなしブック」を著者の吉澤準特さんから献本いただいた。
思った以上にボリュームがある。紹介されているフレームワークは40以上。
この本の面白いところは、フレームワークの使用シーンの秀逸さにある。パン屋が
題材となっており、ゆるいイラストで親近感を持たせつつ、そこでのビジネスの裏
側が垣間見れるというギャップが面白い。
本書の終盤でまとめられている「フレームワークのフレームワーク」も重宝しそうだ。
他ではあまり見たことが無い。困った時に辞書を引くような「使える本」として、本書を
手元に置いておきたい。
若手の社会人も、マネージャーにも、少しはフレームワークを知っておいて欲しい。
もちろん知っているだけではなく、使いどころも考えなくてはいけないが、ダラダラ
と作業や会議をやるよりは、如何に効率的に出来るかを試行錯誤したほうが結局は
自分のためにも皆のためにもなるんじゃなかろうか。定着しないと意味ないけど。
そういえば、採用試験の時にはグループディスカッションやら大層なエントリー
シートを求めておいて、いざ会社に入るとそういった「会議のフレームワーク」
やら「企画作成のフレームワーク」というのが全然整っていないことに驚く新人
も多いのではないだろうか。「フレームワークはツールでしかないし、物事は
そんなに簡単に割り切れないもんなんだよ」とか言うのではなく、是非すでに
社会人になっている皆さんにも、定期的に自分たちの仕事の進め方を見直す機会
を設けるべきなんじゃないかと思う。
■「フレームワーク」って実際使えるの?
さて、本書の話を同僚にしていたところ、こんな質問をされた。
「フレームワークって実際使えるの?使ってるの?」
使いますよ!もちろん。営業でも日常生活でも、フレームワークを使う機会は豊富にある。
たとえばクライアントとの打ち合わせ。
「こんなこともやりたいんだけど、あんなこともやりたいんだよね~」
と話が四方八方に飛んだとする。ブレストならばいいが、そうではないとすれば、
話のポイントを絞り、そのクライアントが本当に困っていることは何なのか、自分が
どういう解決策を出せばいいか方向性を探りたい。そんな時、一旦その話を持ち帰る
よりも、その場で何かしらのフレームワークで問題を整理し、共有する。
そうして、「じゃぁまずはどれから手をつけましょうか。その問題について一緒に
解決策を考えましょう」というところまで落ち着けられれば、次のアポイントでは
もっと具体的な話に進めることが出来る。
ちなみに、個人的には「3C」や「トリプルメディア」など3者の関係性を表すものや、
ピラミッド型(たとえばファネルアプローチ)がバランスが取りやすいので好き。
■ぐっすり眠れる「フレームワーク」
仕事だけではなく、日常生活でも、人は無意識にフレームワークを使っている。
本書の冒頭にもこう書かれている。
フレームワークを日本語に直訳すると「枠組み」という意味であり、型にはめて何かをやる際に使われる言葉として日常的に浸透しています。毎日同じ作業をやっていると、自然に自分なりのやり方が定まってくると思いますが、これだってフレー ムワークの1つです。 そう考えると、世の中はフレームワークで満ち溢れていることになります。あなたが朝起きてから家を出るまでの一連の流 れだって、日々の経験によって効率化されたフレームワークなのです。
「新人の頃は朝早く起きて一番に出社していた。しかし、慣れてくると朝起きてからの
時間配分が効率化され、ギリギリまで寝るように!」…って、これはいい例じゃないな。
「フレームワークを使いこなして仕事を効率化して早く帰る。そしてぐっすり眠る」
もしくは、「もっと面白い仕事に時間を使う」というのが、本書の正しい使い方だろう。