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20代でも転職を考えてみたら、という悪の誘い

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MM21の永井さんとは、冗談ではなく、「長い」お付き合いをさせてもらっており、彼は本当に心やさしい人だと、証人に立てるほどです。この前、永井さんが「『20代は転職厳禁』という意見」を書かれました。彼の若い人たちへの提言、助言として、たいへん正しいと思いますし、彼のやさしさの現われだなぁ、と思います。

そこへ行くと、根性がひん曲がり、ひとの失敗を喜ぶ、心狭き私ですので、あえて「20代でも転職を考えてみたらどうだろう」と提言します。

永井さんの書かれているように、

20代で転職を繰り返せば、いつまでたっても新米の使い走り。30代だって、新しい職場では新米からの出直し、マイナスからのスタート

というのは、当たっている。私が採用者なら、25歳以下の転職者は、まず、うたがってかかるでしょう。高い確率で、仕事を完了させる能力に問題があると思われます。

仕事は基本的に自分で立案し、周りの承認・同意を得、周囲を動かしながら、目的を達成し、成果を出すことにあります。若いうちなら、立案の前に、上司の方から問題の提起があるでしょう。問題の分析も重要な業務です。問題から成果まで、最初はとても小さい事でしょうが、徐々に大きな問題を与えられることでしょう。

しかし、そうではなく、業務の一部のルーチンワークをアサインされるだけであったり、一部のプロセス処理のみをする場合もあることでしょう。おそらく、本当ならば、そういったルーチンであっても、問題分析、立案、同意、行動、成果のサイクルは存在するのだと思います。それでも、そのサイクルを実施させてもらえない環境であったりするなら、転職を考えても良いような気がします。

最近の転職ブームで若い人の転職が助長されているようにも見えますが、私が新入社員のころも、入社してすぐ転職する人たちはいました。ただ、目立たなかっただけだと思います。そういった人たちは、多くは異なる業界に行ったり、田舎に戻ったりしていました。

私も、長い間、前の会社( IBM )にいた後、Sunに移りました。理由は単純なものではなく複合的なものでしたが、そのひとつには、この人とはいっしょに仕事をしたくない、同じ空気も吸いたくない、と思うほど、合わない人がいたことも、ひとつです。

いずれにせよ、自分のキャリアは100%自分の責任なのですから、自分の判断で、自分で決定するわけで、余人がどうのこうのと言えるものではありません。日本の企業の中には、社宅を提供したり、りっぱな新人研修をしたり、制服を供与してくれたりと、至れり尽くせりの会社も多くですね。あまりに手をかけすぎるのも、どうかと思います。

弊社サンでは、新人を教育するほどのりっぱな企業ではないので、新卒は取りません。中途で入ってきた人たちは、サンはプル(Pull)の文化であることに、気付くと思います。

「えっ、そんな情報知らなかった」

といったところで、

「あの Wiki に書いてあったでしょ」

で終わりにされる事が多く、知らなかったお前が悪い、という事になりがちです。それはそれで、行き過ぎかもしれませんね。

それではあまりに酷なので、今年もCEC(Customer Engineering Conference)という、社内とサンのソリューションを販売するパートナーさん用の大きな教育コンファレンスがあり、製品やソリューションの教育を行います。来週一週間、アメリカはラスベガスでの開催です。日本のサンからも多数SE・アーキテクトが参加することになっています。そのため、来週弊社にご質問を出されても、私のような者しか日本に残っていませんので、返事がたいへん遅くなります。あらかじめ、ご容赦下さいね。

話がそれました。

自分のキャリアは100%自分の責任の原則からすると、いつ転職しても、自分の責任ということになり、そのため、一生下っ端だろうが、転職ばかりしていったい何をしているのかわからなかったり、という状況になっても「仕方がない」ということです。逆に、転職によってチャンスをつかみ、大きく成長するかもしれません(可能性は低いでしょうが)。

☆ 将来のことは、誰もわからない
☆ 人生に、これだ、という答えはない

のですから、動くも運、動かないのも運ということになるでしょう。

ちなみに、私もこの歳でヘッドハンティングの会社から受けたオファーのうち、2つ受けましたが、両方とも落ちました。ひとつは大きな会社のディレクター、もうひとつはベンチャーの日本法人のリージョナル・マネージャでした。最終選考まで行ったのですがね。ちなみに、その2社は現在、両方とも存在していない(なくなった!)ので、運が悪かったのか、良かったのか、わからないですね。

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