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外資系金融機関を担当する経営コンサルタントの活動記録 ~ プライスウォーターハウスクーパースの高橋正敏です。

世襲のひとって結構大変だと思う

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最近、テレビなどでよく観る国会議員の世襲問題。解散・総選挙の気配が近づくにつれて、自民・民主両党がその制限に関する内部規定を喧伝し始めています。どちらがより世襲議員に厳しく適用するか、の勝負のようになっていて、「国会議員の息子でない」99%以上の国民にアピールしようとしています。

世襲への批判ということを考えてみると、批判されるタイプの職業としては、所謂「なる」ことが「あり続ける」ことに比べて異常に難しいことだと思います。

少し、世襲の定義を拡大して言うと、例えば、テレビ局の社員や、大手広告代理店の社員、政治家などがそういう職業でしょう。私の姉は某テレビ局に勤務していますが、社内は、自分以外はほとんど大物政治家や有名人の親族だと言っています。また、政治家は選挙があるといっても、世襲についてはそれが有利になるので、ここではその世襲・非世襲の差はさらに大きくなっています。

また一方で、「なる」ことが難しいのと同時に「あり続ける」ことがもっと難しくなるタイプの仕事もあります。野球選手や力士、芸能人のように、実力と人気が大衆に知れてしまう仕事はそういうタイプとみていいでしょう。この職業を選んだからには、若貴(懐かしい呼称です・・・)のように、父親を抜くまで本気でその仕事に取り組まないといけません。それはそれで大変です。

また、世襲に甘いかのように言われるこの国では、世襲のひとが失敗すると、「ほら見ろ」とばかりに思いっきり叩かれます。失敗する2世政治家、親の知名度を使って無理やりデビューしたけど売れない歌手や、麻薬をやった芸能人の息子などには、結構世間の目は厳しいと思います。

何が言いたいのか、というと、世襲や2世のひとは、それぞれの立場で結構苦労があるのではないか、ということです。私には、「世の中はプラスマイナス均等で案外平等だ」という持論があります。恵まれているように見えても、案外苦労しているものだし、苦労している、運が悪いと思っているひとも、結構気楽な人生を送っていたりします。

そういうわけで、この手の問題は、できるだけ嫉妬心抜きで、議論したいなあとテレビを見るたびに思います。

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