正しいことと、正しいと思わせること
昨日、民主党の小沢代表が辞意を表明し、政界に大きな動きが生じたということでメディアがこの件について色々と報じています。ご本人の記者会見を見る限りでは、辞めることに対して不本意であることがありありとわかるもので、相当のわだかまりが心の中にあるのだろうという気がします。
ここに至る経緯は、言うまでもなく、西松建設との不正献金疑惑発覚が発端です。それが政治資金規正法違反事件による公設秘書の逮捕ということになり、世間へのインパクトは大きいものとなりました。そして、小沢氏本人の関与などが明確にされないまま、辞任に至ってしまいました。
小沢氏は「政治資金は適切に処理した」と主張しています。推測ですが、私は本当に適切に(法律どおりに)処理したのではないかな、と思っています。少なくても、他の政治家と同じレベルのルールは守ったのではないか、と。そのルールが緩かったとか不完全ということかもしれませんが、それは小沢氏本人の問題よりも、政治とお金のあり方、という話になるでしょう。だから辞任は不本意なのでしょう。
ただ、一連の行動におけるイメージが良くない。その点は悪いというより、もったいないじゃないですか、と言いたいですね。話し方や外見、党首討論を避けている(ような印象がある)、要人と会わない、など。改善の余地は結構あるのではないでしょうか。特に言葉やメッセージは大事です。昨今オバマ大統領が国民のこころを捉えているように、このような努力は多少の失策さえも覆せるように思います。
経営コンサルティングの現場では、「それは事実なのか」「どういう根拠でそうだと言い切れるのか」「その仮説はどう立証するか」ということが始終議論されています。正しさを追及するという点では、多くの業界同様、力を注いでいますが、同時に、「正しく見せる」「正しく伝える」ことにも相当のこだわりを発揮します。やはりそうなのか、、、とクライアントに理解してもらうことが大事なのです。
ただ飽くまでもそれは内容が正しいことが前提です。今となっては、この経験を民主党にとっていい方向へ進むように舵を切るのが次期党首の役目ではないかと思います。