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外資系金融機関を担当する経営コンサルタントの活動記録 ~ プライスウォーターハウスクーパースの高橋正敏です。

クライアントとの雑談

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私は、コンサルティングの仕事は決して押し売りが通用しない世界と信じています。通常のコンサルティングファームが用意している各種ソリューションは、内容を見てみるとどれも納得がいく形まで方法論が確立されています。また、導入するとどのような効果が出るか、も比較的わかりやすく示されています。しかしそれらが本当にクライアントの役に立つか、徹底的に情報を集め、コンサルタントは知る必要があります。

企業経営者には、悩みがつきません。その悩みは経営者本人さえもはっきりと説明できる形に落とされていないのが普通です。「商品の販売が落ち込んでいます」「システム費用が大きくて困っています」「社内で推進しているプロジェクトが進んでいません。プロジェクトマネジメントの経験がないのです」・・・色々と話してくれます。

しかし、コンサルタントとして、「そうですか、では○○というソリューションがあります。△△という効果があります。いかがですか」と言ってしまっては失格だと思います。

例えば、プロジェクトマネジメントの話を雑談のように持っていくと、別の視点が出てきます。

「そういえば日報ってありますか」とか、「作業に行き詰ったとき、必要な情報って気軽に他部門のひとに問い合わせってします?」「部門横断的に飲み会ってやりますか」など・・・

プロジェクトマネジメントの技術以前に、リーダーが必要な情報を集める状況にない、環境にない、のかもしれません。仮説を感じることができるまで、失礼にならないよう、情報を入手したいものです。

そういう意味では、雑談力はコンサルティングに限らず、サービス業には非常に有効な武器になると思います。日頃から雑談力をおろそかにしないよう、努めたいと思います。

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