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外資系金融機関を担当する経営コンサルタントの活動記録 ~ プライスウォーターハウスクーパースの高橋正敏です。

<001> 中東ビジネス・フォーラムに参加してきました

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非定期連載のような形で、イスラム金融について、色々と述べていきたいと思います。

本日、中東ビジネス・フォーラム2009に参加してきました。

貴重な営業日をまるまる1日費やすに値する内容で、大いに得るものの多い日でした。また会場の雰囲気も熱気に満ちていて、ビジネスを熱心に売り込む日本人・中東の方々の姿が印象的でした。彼らは非常にビジネスへのパッションが強く、何かアイデアがあると「面白い。やりましょう」という姿勢になります。日本の方が喜ぶことであれば協力しますよ、という姿勢で皆臨んでくれるので、慎重で奥ゆかしい日本人との相性は悪くないのではないかと思っています。

「中東ビジネス」という言葉からは真っ先に思い浮かぶのは、原油取引、ドバイなどでの大規模開発(通信やインフラ、学校建設も含む)、そしてイスラム金融などではないでしょうか。それぞれ密接に影響し合っていますので、全体をよく観察する必要はありますが、基本的に私は、専門の金融から中東のビジネスにアプローチしています。

ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教を世界四大宗教と呼ぶ向きもありますが、そのなかでもイスラム教は比較的新しい宗教になります。ムスリムの視点から見ると、唯一なる神が、人類に遣わした最後にして最高の預言者であるムハンマドを通じて、人類にコーラン(アッラーの声)を伝えてくれたということで、それを実行して生きることが何より大事であると考えるのです。

それは、日々の活動であるビジネスの姿勢にも当然反映されます。コーランに基づく行動指針を金融活動に当てはめるとどうなるか。それを日々、金融機関内のイスラム有識者(シャリーア・ボード)が議論しながら、最先端の金融技術を検証し、イスラム金融として取り入れていきます。

石油依存から脱却するべく日々努力している中東地域のビジネス活動、そのなかでも、イスラム金融は、資金調達、資金運用におけるひとつの手段として検討する価値があるどころか、世界において存在感を高めている分野であり、今後その商品内容も発展をしていくものと思われます。

(※注意) 筆者は上記宗教における信者ではありません。内容について思慮の浅い面、正確さを欠く点がございましたら、ご教示いただけたら幸いです。

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