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外資系金融機関を担当する経営コンサルタントの活動記録 ~ プライスウォーターハウスクーパースの高橋正敏です。

IFRS, International Financial Reporting Standardへの対応

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数年前、US GAAPへの対応を整備する企業が急激に増加し、会計システムの導入や財務部門の業務プロセス改善、職員の米国公認会計士(US CPA)資格取得推進など、「会計のグローバルスタンダード」を実現するには、US GAAPを理解することが必要、と認識された時期がありました。

その当時における会計の世界標準動向を探って、対応していく、それは基本的に正しい動きであるし、当然いいことと思います。川上暁生さんがご指摘されているとおり、会計基準は、その会社の自己申告が原則であり、ルールですが、グローバルな投資が進んでいる現在、ひとつの会社が東からみたら黒く見えるが、西からみたら赤く見える、ということがあってはならないわけで、そういう状況を回避するため、日本も経済大国の一員として、会計基準統一に向けた努力が求められています。

2009年現在、国際会計基準審議会(IASB, The International Accounting Standards Board)は、その主要メンバーはEUから選出されていて(英国勅許会計士資格を持つ人が多い)、IFRS導入はEUが先行していて、日・米が追随するような形になりつつあるようです。米国では、2014年から段階的にIFRSを強制適用する案も含め、IFRS導入に向けたロードマップを公表しています。日本では、金融庁がIFRSの適用を認める方向で審議を開始し、最終的には上場企業に強制適用することも視野に入れています。

こうなると、会計基準をIFRSに統一する動きになっていることは間違いなさそうです。

日本企業においては、まずは、現状の会計システムと財務関連の業務プロセス、を把握したうえで、IASBとの差分を議論できる土壌を整えることが肝要と思います。

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