あのひとのこと、好き?嫌い?
ベリングポイントでは、「360度評価制度」なるものがあります。読んで字のごとく、役職や立場において自分の上下・横にいるひとびとを評価する、という制度です。これは、上下関係だけに縛られず、多様な視点をもとにして、従業員を適切に評価していきましょう、ということで設計されているのですが、これがなかなか労力のいる作業なのです。
ひとの能力を適切に見るって難しいじゃないですか。
どこかに親心や、ライバル心、余計な心配・・・所謂邪心というか、正確な観察を妨害するものが入ってきてしまいます。
例えば、いつも自分に対して素直な人物を評価するということであれば、「多少ミスも多いし、雑だが、人柄はいいし、彼のおかげで物事がうまく進むよね」ということで甘くしてしまいがちです。逆であれば、「言うことも成果物も品質は高いが、いつもオレに反抗してばかりだ」となることもあり、辛い評価にしてしまいがちです。
そんな悩みを持っているとき、書店で、好き・嫌いで人事という過激な(笑)タイトルの書籍を見ました。早速買って読んでみたのですが非常に面白かったです。
そもそも、「好き・嫌い」という言葉を肯定的にとらえるのが面白い発想ですよね。「好き嫌いを言ってはいけませんよ」というのが普通の躾ですよね。
どんなに客観的に科学的に評価作業をしようと頑張っても人間は感情の動物だから、その「好き・嫌い」ということから離れるのはやはり無理がある。むしろ、その感情のなかにこそ真実があるとみなして、評価の軸に置いてしまう。好きな面、嫌いな面含めて、今後一緒にどういう仕事ができるか。どういう評価を与えるべきか。それを素直に考えよう、というわけです。
そういうわけで、「好き・嫌い」をベースに周囲を見ました。当たり前だけど、やはり、嫌いなひととはビジネスどころか生産的な活動がしたくないですね。
一度、素直になって、この人は好きだろうか、また自分はこの人から好かれているかを考えるのは悪くないと思います。