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高校生はスティーブ・ジョブズから何を学ぶのか

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 Appleのスティーブ・ジョブズCEOの名スピーチが掲載されている三省堂の高校生向け英語教科書「CROWN English Reading New Edition」の話の続き。

CloseBox and OpenPod > スティーブ・ジョブズ、教科書に載る

 次男から横取りしたままビデオを作りおえ、ようやく教科書をじっくり読むことができたので、前回書けなかった細かい話をいろいろと。

 ちなみにこのBGMの歌詞は、ジョブズのスピーチの最後の部分を巡音ルカにうたってもらいました。

On the back cover of their final issue was a photograph of an early morning country road, the kind you might find yourself hitchhiking on if you were so adventurous. Beneath it were the words: "Stay Hungry. Stay Foolish."

 まず、このストーリーはどの程度許諾がとられているかということについて。「Copyright (C) 2005 Apple」との記述がありました。Stanford Reportの「Steve Jobs, 'You've got to find what you love," Jobs says」からの抜粋ということになっています。

 オリジナルテキストはこちら:
'You've got to find what you love,' Jobs says(Stanford Report, June 14, 2005)

 では、本文に入ります。まずはこのスピーチの背景について説明されています。

In June 2005, he spoke at the graduation of an American University.

 ここではStanfordの名前を出していませんね。何らかの配慮なんでしょうか。ちょっと気になります。

 JobsとMacintoshの発音が記載されています。これで、学生へのApple刷り込みは完璧ですね。Jobsを「ジョブス」と発音する人もいなくなることでしょう。

 Section 1は「Connecting the Dots」について。自分の生い立ちから、大学に入り、ドロップアウトし、その後に学んだカリグラフィがMacintoshとDTPに大きな影響を与えることになったことについて語っています。

 ここには木製の初代Appleの写真も掲載されています。隣のページには、Apple ][cの写真もあります。しかし、肝心のMacintoshの写真はないのです。

 現在売られている、競合製品のあるものを出すのはまずい、という配慮からでしょうか。

 Apple ][cの写真が出てくるのはSection 2。ここは「Love and Loss」。愛したものと、そこから追い出される話。つまり、Appleからの放逐です。

 そこで、Apple ][cを中心にした3人の写真が掲載されています。左にジョブズ、右にスティーブ・ウォズニアック。そして真ん中には……。キャプションがありません。

 そこにはジョブズを追い出した張本人であるジョン・スカリーの姿が。名前を入れたくないわけですね。これはわかります(笑)

 でも、以前スカリーにインタビューしたとき、彼はジョブズの業績を評価してましたよ。まあ、あの恨みは忘れられないでしょうけどね。

 ここはLossだけではなく、Loveについての話もあります。Appleを追い出されて設立した2つ目の会社、Pixarで奥さんであるローリーンと出会ったこと。そう、発音記号もあるので、これはLoreneはローリーンと読むのです。ローリーンとのラブラブ写真もありますよ。

 Pixar社員の集合写真や、クマノミのカラー写真もあります。ただ、これは実写なんで、ニモではありません。だから、Disney/Pixarのクレジットはなし。

 本文の最後のページには、かじりかけのリンゴの写真があります。これもロゴ回避策かな? あ、でも扉絵はしっかりAppleロゴなんで、シャレでしょうね。

 章末には、理解を深めるための問題が掲載されています。あなたは何問解けるかな?

 しかし掲載することはできないので、さわりだけ。

Q:このスピーチの主題はなんですか?
Q:ジョブズが大学をドロップアウトした理由は?
Q:「dotsはいずれつながる、と信じなければならない」とジョブズは言いましたが、このdotsとは何ですか?
回答の選択肢:・コンピュータ部品・人生の中で起きる出来事となさねばならない決断

 また、I got fired!から始まるパラグラフをまるごと、「このときのスティーブ・ジョブズの感情が伝わるように音読しなさい」というCommunication Activityも用意されています。

 この練習を高校のときからやっていたら、社会人になるときには現実歪曲フィールドを発生できるかもしれませんね。息子にはがんばってもらわないと(笑)

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