iPhone + MobileMeが描き出す「PC不要の世界」
ソフトバンクモバイルのユーザーのうち、2割弱がiPhoneへの機種変更を考えているという調査結果を昨晩のディスカッションで報告したら、「PCが必要だということを知らない人が相当数いるのでは」という疑問が出されました。たしかにそうかもしれません。
既に誰かが言っているかもしれませんが、iPhone 3GとMobileMeの組み合わせというのは、母艦としてのPCを必要としない世界への第一歩かもしれないと思いました。
若者のPC離れが取りざたされていますし、熟年層はもともとPCリテラシーが低い。iPhone/iPodをこういった層まで広げていくためには、PCがなくてもすむソリューションを備えておく必要があります。
PCなしで音楽を聴けるようにするだけなら、LISMOだってあるし、Napsterもあるじゃないか。たしかに。しかし、その容量は携帯電話のストレージ容量に限られているし、機種変更してもついてくるとは限りません。ましてやキャリア変更したときにはすべてが無に帰するでしょう。
しかし、MobileMeを使っていれば、すべてのデータは20Gバイトのクラウドに置かれることになります。これは、通常ならばiTunesのライブラリデータをすべて置くのに十分です。
着うたフルの1曲300円とiTunesの150〜200円の価格差を知り、PCなしですむということになれば、iPhoneからiTunes経由で楽曲を購入し、MobileMeのクラウドにそのまま保存。好きなときにiPhone内のプレイリストに読み込んで再生する、ということが一般的になるかも。
そして、App Storeで購入したアプリケーションのコンテンツデータはみな、MobileMe上に置かれることになるのかも。
iTunesは、MobileMe上でアプリケーション化され、ひょっとしたらコミュニティと連動することになるかもしれません。いまのiTunesアプリの重さとAppleのAjax技術の進化を考えると、そろそろサーバアプリ化してもいいころかと思います。
iPhoneが直接MobileMeにつながり、PCとはつながらなくてもいい世界。まさに「PC後の世界」は、MobileMeとiPhoneによって作り出されるのではないでしょうか。
そう考えると、PCリテラシーの低い日本の携帯マジョリティがすんなりMobileMeに移行してもおかしくないような気がするのです。
MobileMeというと、同期しまくりでExchangeユーザーなハイエンドな人たちだけのものと思いがちですが、PCを持ってない、買わない、買いたくない人たちに向けたサービスだと考えることも可能ではないでしょうか。
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