中堅・中小企業におけるDX支援
経済産業省は2024年3月27日、「DX支援ガイダンス:デジタル化から始める中堅・中小企業等の伴走支援アプローチ」を策定しました。
DXに取り組んでいる中小企業の労働生産性や売上高は大きく向上しており、労働人口の減少や市場縮小等の課題に直面する全ての中堅・中小企業等にとって、DXの取組は必要不可欠となっています。
一方で、特に人材・情報・資金が不足している中堅・中小企業等は独力でDXを推進することは難しく、地域の伴走役たる支援機関によるDX支援という「新たなアプローチ」を追求することが有効となっています。
経済産業省では2023年11月より「支援機関を通じた中堅・中小企業等のDX支援の在り方に関する検討会」を立ち上げ、支援機関が中堅・中小企業等に対してDX支援を実施する際に考慮すべき事項について解説した「DX支援ガイダンス」を策定しました。
中堅・中小企業等のDXの現状
中堅・中小企業等のDXの理解は広く浸透していない状況であり、DXを業務効率化やコスト削減に留まる動きであると考えている企業は多く、DXの正しい理解は道半ばである現状となっています。
中小企業のDXの取組状況は、デジタル化が未着手の/デジタイゼーションの段階が全体の約3分2を占めている状況であり、中小企業のDXの取組は道半ばです。
中堅・中小企業等がDXに取り組むにあたっての課題は、ITに関わる人材が足りないが28.1%、DXに推進に関わる人材が足りない27.2%、予算の確保が難しい24.9%などが上位を占めています。
中小企業がDXを進めるに当たっては、人材・情報・資金の不足という課題をどのように乗り越えるかが重要となっています。
今後の展望(DX支援)について
経済産業省では、中堅・中小企業等のDX推進には支援機関が持つ外部の力の活用が有効である点をあげています。
取引先企業のDX支援が支援機関自身の価値向上につながる新たなビジネス機会となり、DX支援と企業成長による幅広い「利益」が地域全体に還元され、地域経済が持続的に発展する「好循環」を生むようなモデルを創造することが求められています。
DX支援は取引先に伴走し、中長期的に成長を見守り続け、まずは身近なデジタル化から取り組んでみることさせる。そして、成功体験を繰り返し、「本業」に経営資源を集中させることで、DXで企業価値を向上させる。これらのモデルを持続的に構築していくことが、重要なアプローチとなっていくでしょう。