エッジコンピューティングへの投資、2024年には2320億ドルに

IDCは2024年3月14日、IDCの市場に関する予測を公表しました。

New IDC Spending Guide Forecasts Edge Computing Investments Will Reach $232 Billion in 2024

エッジコンピューティングの世界的な支出は、2024年には2320億ドルに達する見込みで、2023年と比較して15.4%の増加が予測されています。

IDCが発表した世界エッジ支出予測によると、ハードウェア、ソフトウェア、専門サービス、プロビジョニングサービスなど、エッジソリューションへの企業およびサービスプロバイダーの支出は、2027年には約3500億ドルに達するまで、成長を続けると予測しています。

IDCののアナリストは

エッジコンピューティングはAIアプリケーションの展開において重要な役割を果たすでしょう。スケーラビリティとパフォーマンスの要件を満たすためには、組織はエッジコンピューティングが提供する分散型アーキテクチャを採用する必要があります。OEM、ISV、およびサービスプロバイダーは、エッジロケーションでのAIの有効化を可能にする機能拡張によって、この市場機会を活用しています

とコメントしています。

IDCは19の企業産業にわたるエッジICT支出を、6つのドメインで500以上の具体的なエンタープライズユースケースに分類しています。サービスプロバイダー産業においては、マルチアクセスエッジコンピューティング（MEC）、コンテンツデリバリーネットワーク、およびバーチャルネットワーク機能へのインフラ支出に基づいて、エッジサービスの提供に対する投資が行われています。これら3つのユースケースは、今年の全エッジ支出のほぼ22%を占めると予測しています。

出典：IDC 2024.3.14

公共セクターを含むエンタープライズの採用者にとって、2027年を通じて大規模な投資と迅速な成長が見込まれるエッジの具体的なユースケースには、拡張現実を用いた拡張メンテナンス、生産資産管理、AI拡張供給および物流、拡張診断および治療システム、サプライチェーンのレジリエンス、在宅遠隔患者モニタリング、店内コンテキストマーケティングなどが含まれます。

2022年から2027年の期間において最も迅速な支出成長が予測される新興のエッジユースケースには、自律型鉱山運用、建設におけるサイト設計および管理、公益事業におけるパイプライン検査、複数産業にわたる拡張トレーニング、小売業におけるエキスパートショッピングアドバイザーおよび製品推奨などがあるとしています。

IDCでは、

企業の投資は過去24ヶ月間、インフラ拡張と新規開設に向けてシフトし続けています。会社はより強固なローカルコンピューティングインフラの能力を構築する計画に基づいて行動しています。そして何よりも、新しい顧客向けサービスおよび製品の提供と新しいビジネスプロセスの有効化が、企業の主要な推進力となっています。

今後2年間で、計画された投資の比率はMECのオファリングを中心にやや有利になるでしょう。しかし、全体として、企業はサービスプロバイダーの総出費を合理化しようとしています。これにより、2027年を通じて投資ドルを競うcapexとopexベースのエッジオファリングのダイナミックな市場が設定されます。

とコメントしています。

企業のエンドユーザー産業を横断して、離散製造およびプロセス製造の巨大な規模が今年のエッジソリューションへの投資の最大の部分を占めるとしています。これに小売業およびプロフェッショナルサービス産業が続きくとしています。