オール光ネットワークの構築に向けた技術開発
総務省は2023年12月7日、「情報通信審議会 情報通信技術分科会 技術戦略委員会(第41回)」を開催しました。
今回は、この中の Beyond 5G基金に係る令和5年度補正予算の概要から、オール光ネットワークの構築に向けた技術開発についてとりあげたいと思います。
Beyond 5G基金事業の内容の事業目的は、2030年代の導入が見込まれる次世代情報通信インフラBeyond 5G(6G)について、日本の国際競争力の強化や経済安全保障の確保を図るため、社会実装及び海外展開を見据えた民間企業や大学等による研究開発・国際標準化を支援していく取り組みです。
経済対策を踏まえたB5G基金事業の拡充については、
・オール光ネットワークの事業者間連携のための共通基盤技術の開発
・既に着手しているプロジェクトの継続的な支援
・国際標準化活動に対する支援
のため、B5G基金を拡充し、研究開発・国際標準化、社会実装、海外展開に向けた企業等の思い切った関連投資等を促していく方針です。
Beyond 5G基金事業のスキームは、総務省からの補助金でNICTを通じて委託され、主に以下の取り組みが中心となります。
①社会実装・海外展開志向型戦略的プログラム
-助成型:~数十億円程度/年(補助率最大1/2)(積増)
-委託型:業界横断的な共通基盤技術の研究開発(新規)
②要素技術・シーズ創出型プログラム
-委託:~1億円程度/年(最大数億円)
③電波有効利用研究開発プログラム
-委託:開発規模に応じ、上記①/②と同程度
④国際標準化活動支援メニュー(新規)
-助成:国際標準化活動に必要な旅費や専門人材の人件費等を支援
これらの取り組みで令和5年度の補正予算は190.0 億円を見込んでいます。
オール光ネットワークの構築に向けた技術開発の概要は以下のとおりです。令和5年度では、共通基盤技術の確立とし、オール光ネットワークの事業者間連携のための共通基盤の構築に向けて、令和5年度補正予算により基金を拡充していく方針です。
出典:総務省 情報通信審議会 情報通信技術分科会 技術戦略委員会(第41回)2023.12
B5G基金事業による新たな標準化支援についてもとりあげます。
オール光ネットワークをはじめ我が国のBeyond 5Gの戦略分野では、有力な標準化団体での国際標準化の検討・作業が本格化。世界の主要企業がこれに注力見込みとしています。
標準化活動で日本が主導権を確保し、日本の開発成果を国際標準に反映するため、令和5年度補正予算によりB5G基金事業に新たに標準化支援メニューを追加。これにより、基金による研究開発成果に係る標準化活動に係る経費を支援していくとしています。
出典:総務省 情報通信審議会 情報通信技術分科会 技術戦略委員会(第41回)2023.12
大きな動きも出てきています。
の記事では、
NTTは、ITU-Tの会合にて、IOWNの技術仕様の公的標準策定に合意したと発表した。今後はIOWNの団体とITUとの連携を強化し、技術仕様の標準化を進めていく。
と書かれており、標準化の動きも前に進み始めています。