中堅企業の自律的成長を実現するエコシステム構築に向けたロードマップ（案）

経済産業省は2023年11月7日、「第17回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会」を開催しました。

今回は、中堅企業の自律的成長を実現するエコシステム構築に向けたロードマップ（案）に焦点をあててとりあげたいと思います。

中堅企業の成長投資の促進やM&A・グループ化により、持続的な賃上げや経営力の高い企業への経営資源の集約を通じてグループ全体の収益力の向上を進めるとともに、こうした政策支援ツールを媒介としつつ、金融機関や自治体、支援機関等との連携を強化し、中堅企業のガバナンス改善等を支援するネットワークを形成することで、中堅企業が自律的に成長し続けられるエコシステムを構築することが必要ではないか。

具体的には、

①喫緊の課題である人手不足や賃上げ等への対応を経済対策で措置し、
②法律・税制等において、中堅企業の成長を実現しやすい事業環境を整備するとともに、
③地域金融機関や自治体等を含む支援機関の支援手法の高度化や経営人材・リスクマネーの流れを生み出す

といった対応が必要ではないかとしています。

出典：経済産業省第17回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 2023.11.7

①成長分野での大規模投資

•賃上げに向けた大規模な設備投資の推進

• 産業競争力強化法における「成長志向型中堅企業」に対する支援
• 独法等によるプッシュ型助言
• 新たな需要開拓向け設備投資税制の検討

• 大規模成長投資に対する地域金融機関や自治体、支援機関等の支援強化

② M＆Aを通じた経営資源の集約化・効率化

• 事業会社による複数M&Aを通じたグループ化を推進する税制の検討

• 中堅企業向けPEファンド市場の活性化、コンサル等の経営人材の中堅企業への流動化等

これらの取組により、エコシステムの組成の取組の重要性もあげています。