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生成型AIの普及により企業が直面する新たな脅威 〜ガートナー調査から

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Gartner社が2023年第2四半期に実施した企業リスクの調査結果を発表しました。

Gartner Survey Shows Generative AI Has Become an Emerging Risk for Enterprises

この調査では、OpenAIのChatGPTやGoogle Bardなどの生成型AIが、企業リスク担当者にとっての主要な懸念事項となっていることが明らかになりました。生成型AIは、初めてトップ10リスクに名を連ね、急速な成長と多岐にわたる使用ケース、それに伴う潜在的なリスクが反映されています。

生成型AIのリスク

知的財産の問題:
生成型AIツールへの入力情報が訓練データとして使用される可能性があります。これにより、他のユーザーの出力に機密情報が含まれる可能性があるため、企業は入力と出力の両方で知的財産リスクを適切に軽減する必要があります。

データプライバシーの懸念:
生成型AIツールが、事前通知なしに第三者とユーザー情報を共有する可能性があるため、多くの管轄区域でプライバシー法に違反する可能性があります。中国やEUなどでは、この問題に対処するための規制がすでに実施されています。

サイバーセキュリティの脅威:
ハッカーが生成型AIを悪用する例が見られ、高度なフィッシング攻撃の産業化が進んでいます。マルウェアやランサムウェアコードの生成、プロンプトインジェクション攻撃などが報告されています。

その他のリスク
第三者の存続性リスク:
インフレーションと利上げによる借入コストの増加が、サプライヤーの運営停止や破産を引き起こす可能性があります。

財務計画の不確実性:
サプライヤーの価格上昇や倒産が、コストの仮定を無効にし、商品やサービスの入手にかかる費用を増加させる可能性があります。

クラウド集中リスクと中国との貿易緊張:
これらも上位リスクとして挙げられており、現在の広範なマクロ経済と地政学的な変動、技術関連の懸念が反映されています。

まとめ
生成型AIの普及は、企業にとって新たなリスクをもたらしています。知的財産、データプライバシー、サイバーセキュリティなどの側面での潜在的な問題があり、企業はこれらのリスクを適切に管理する必要があります。また、第三者の存続性リスクなどの他のリスクも密接に監視されるべきであり、企業はこれらのリスクに対して戦略的に対応する必要があります。

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出典:ガートナー 2023.8.8

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