「デジタル社会の実現に向けた重点計画」における国・地方公共団体を通じたDXの推進
デジタル庁は2023年6月6日、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」を公表しました。
今回の「デジタル社会の実現に向けた重点計画」の主なポイントは、マイナンバーカードの機能拡充、マイナンバーカードの安全・安心対策、データの利活用の推進、デジタル改革と規制・行政改革、地方自治体、準公共分野におけるDX推進などです。
今回は、地方自治体、準公共分野におけるDX推進から国・地方公共団体を通じたDXの推進についてとりあげたいと思います。
出典:デジタル社会の実現に向けた重点計画 2023 2023.6
国・地方公共団体を通じた DX の推進
(1)デジタル推進委員の活用
デジタル推進委員(約 26,000 人:2023 年(令和5年)5月時点)について、関係府省庁のデジタルリテラシー向上やデジタル格差の解消に向けた取組等と連携し、携帯キャリアショップ中心の活動から、自治体・経済団体・企業・地域ボランティア団体への拡大を図るとともに、図書館や公民館、鉄道駅など身近な場所の活用を含め、継続的にきめ細やかなサポートができるよう、相談体制の充実を図っていく。
(2)地方公共団体のアナログ規制の見直し
地方公共団体におけるアナログ規制の見直しについては、より全国の取組を推進する観点から、地方公共団体と連携し、条例等のアナログ規制の課題調査を実施する。これを踏まえて、2023 年(令和5年)中を目途に「地方公共団体におけるアナログ規制の点検・見直しマニュアル(2022 年(令和4年)11 月公表)」を改訂する。
(3)情報連携基盤(公共サービスメッシュ)の整備
公共サービスメッシュは、更なる添付書類の削減やプッシュ型サービス実現のため、行政が保持するデータを様々なユーザーやシステム同士で安全・円滑に連携できるように、行政機関間のバックオフィスでの情報連携・地方公共団体内の情報活用・民間との対外接続を一貫した設計で実現する。なお、ガバメントクラウド上で共通機能を提供しつつ情報の管理主体は各機関とすること等により、データの分散管理を確保する。
(4)自治体窓口 DX「書かないワンストップ窓口」
マイナポータルや地方自治体独自の電子申請システムの利用によるオンライン申請の推進に加え、デジタルを前提とした業務改革(BPR)を通じて、従来の窓口業務を住民目線で利便性を向上させることで、デジタルに不慣れな方もその恩恵を受けられる、「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」を実現する。
その一つとして、住民サービスの向上と自治体窓口業務の効率化を実現する「書かないワンストップ窓口」の取組の横展開を推進するため、ガバメントクラウド上で窓口 DXSaaS を提供することや、自治体窓口DXに精通した窓口BPRアドバイザーの派遣等を実施するなど、「書かないワンストップ窓口」を含めた「書かない」「待たない」「迷わない」「行かない」窓口を目的とする「フロント」改革を加速し、「バックヤード」改革や推進体制づくりを含む優良事例の横展開を促進する。
(5)自治体キャッシュレス
オンライン申請に伴う手数料等のキャッシュレス納付の実現として、まずは先行自治体で除籍・改製原戸籍の取得に係る手数料について先行導入を行っており、今後、対象自治体・手続の拡大を図る。
(6)地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化
地方公共団体の基幹業務システムについて、2025 年度(令和7年度)までにガバメントクラウドを活用した標準準拠システムへ円滑かつ安全に移行できる環境を整備することを目標とし、2022 年度(令和4年度)に引き続き、地方公共団体によるガバメントクラウド先行事業における検証を実施するとともに、標準準拠システムへの移行が円滑かつ安全に進められるよう必要な支援を積極的に実施する。
(7)国・地方公共団体のガバメントクラウド移行
2023 年度(令和5年度)は、2022 年度(令和4年度)に引き続き、地方公共団体による先行事業等の整備を実施するともに、各府省庁や地方公共団体の情報システムについて、業務の見直し及び費用削減の努力を徹底した上でのガバメントクラウドへの移行を進めるほか、ガバメントクラウドテンプレートや各府省庁向け利用ガイド等の整備、クラウド移行支援体制の整備等を実施する。
(8)デジタル化を支えるインフラの整備
「デジタル田園都市国家インフラ整備計画」(2022 年(令和4年)3月策定、2023 年(令和5年)4月改訂)に基づき、広く国民の利便性向上に資するため、デジタル基盤(光ファイバ、5G、データセンター/海底ケーブル、非地上系ネットワーク等)の整備や Beyond 5Gの研究開発を推進する。また、2023 年度(令和5年度)中に策定する「デジタルライフライン全国総合整備計画」の実現に向け、デジタルを活用したサービス提供に必要なハード・ソフト・ルールといったデジタルライフラインの整備を着実に実行する。