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次世代企業をリードする新たな役割:チーフ産業革命オフィサー(CIRO)

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デジタル化が進む現代社会では、テクノロジ人材がますます重要性を増しています。ガートナージャパン株式会社(以下Gartner)によれば、テクノロジ人材、特に"クリエーター的エンジニア"が企業の成長と革新に重要な役割を果たすとされています。

Gartner、テクノロジ人材に関する展望を発表(2023.5.11)

この発表の内容を踏まえて解説をしていきたいと思います。

ガートナーが示すクリエーター的エンジニアとは、従来のエンジニアが持つスキルや知識を超えて、新しいものを創造する能力を持つエンジニアのことを指します。これは既存の作業者的エンジニアとは対比的な概念で、新たな産業革命の時代には不可欠な存在とされています。

企業の革新的な取り組みの一環として、これらのクリエーター的エンジニアを重視し、彼らがより能動的で前向きな組織作りに貢献できるような環境を提供することが求められています。具体的には、自社のITに関わる担当者やエンジニアを「クリエーター的エンジニア」として位置付け、People-Centric(人中心)の観点から人を大事にし、人に活躍いただくことが重要とされています。

ここで登場するのが、CIO(最高情報責任者)やCDO(最高デジタル責任者)を超えた新たな役割、"チーフ産業革命オフィサー(CIRO)"です。CIROの役割は、既存のCIOやCDOの業務を超えて、社内のデジタル化や情報システムの最適化を進めるだけでなく、"企業の再定義"を推進するリーダーとして期待されています。

CIROが目指すのは、企業をデジタルを前提とした新しい形に再定義し、2030年以降の長期的な視野を持つことです。そのため、CIROの位置付けは、クリエーター的エンジニアの力を引き出し、彼らがより創造的な仕事に注力できるような環境を作り出すことにあります。

しかし、現在のくの企業では、伝統的な組織文化や人材管理のスタイルが続いており、CIROの役割を十分に発揮できる環境が整っていないのが現状です。このため、CIROのようなポジションを設けることで、企業のデジタル化と産業革命への対応を具現化し、組織全体に新しい方向性を示すことが求められます。

CIROの役割は、社内情報システムの最適化やデジタル化の推進を超え、企業そのものをデジタルを前提とした新しい形に再定義するという大きなミッションを持ちます。その活動期間は長期的に設定され、2030年代やそれ以降に向けたビジョンを描くことが重要です。そのため、CIROはテクノロジの知識だけでなく、ビジネスの視点から企業をリードする能力も求められます。

企業が真のデジタル化を達成するためには、CIROが主導する形で、"クリエーター的エンジニア"のような新しいタイプのテクノロジ人材を増やすことが不可欠です。クリエーター的エンジニアとは、既存のものをただ運用・維持するだけでなく、新たな価値を創造する能力を持ったエンジニアのことを指します。彼らは、テクノロジを駆使して新しいサービスや製品を生み出し、企業のビジネスモデル自体を変革する可能性を秘めています。

そして、これらのエンジニアたちは、企業文化が彼らのプロフェッショナリズムを尊重し、十分に活躍できる環境を提供することで初めてその能力を発揮します。そういった意味でも、CIROの役割は極めて重要と言えます。

組織全体を見渡し、長期的なビジョンを持ち、新しいタイプの人材を活用して企業をリードするCIRO。この新たな役割が、次の産業革命を牽引する鍵となりそうです。それは企業がデジタルを前提とした新しい形へと変革し、産業革命の時代において競争力を維持するための必要なステップとなります。

特に、AIやIoT、ビッグデータ、ブロックチェーンなどの先端技術は、ビジネスのあり方自体を根本から変える可能性を持っています。これらの技術を戦略的に活用することで、既存の業務を効率化するだけでなく、新たなビジネスモデルやサービスを生み出すことも可能です。そして、そのようなイノベーションを生み出すためには、CIROの役割が不可欠であると言えるでしょう。

さらに、CIROは社内外の様々なステークホルダーとの連携も重要な役割となります。顧客、パートナー企業、そして社内の他の部署との連携を通じて、組織全体のデジタル化を推進し、新たな価値を創出することが求められます。これにより、企業全体のデジタルリテラシーを向上させ、デジタル時代に適応した組織文化を醸成することができます。

最後に、CIROは企業のエシカルなデジタル化も担当します。データプライバシーやセキュリティ、AIの公正性など、デジタル化に伴う新たな課題に対して、社会的な視点から対応することが求められます。これにより、企業は社会的な信頼を維持し、持続可能な成長を達成することができます。

以上のように、CIROは組織のデジタル化を推進し、新たなビジネスモデルを創出し、企業の競争力を維持するための重要な役割を果たします。産業革命の時代において、CIROの役割はますます重要になっていくでしょう。

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