GX投資の実現を通じた排出削減に伴う構造転換と成長の効果、「成長志向型カーボンプライシング構想
経済産業省は2023年3月1日、「第12回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会」を開催しました。
今回はこの中から、GX投資の実現を通じた排出削減に伴う構造転換と成長の効果について、とりあげたいと思います。
政府では、今後GX投資について、非化石エネルギーの推進や需給一体での産業構造転換など、10年間で150兆円超の投資の目標を設定しています。
この10年投資の波及効果として、GX投資は高付加価値な産業へ波及、更なる投資への源泉になるとしています。
例えば、半導体・蓄電池など先行する大規模な設備投資を呼び水に、付加価値率の高い産業用機械や、ソフト・サービスなど非製造業にも投資効果が波及しています。
産業の高付加価値化への転換にも繋がり、得られたキャッシュで次の投資が可能になるとしています。
そして、自動車産業のCASE、生産用機械のオートメーション化など、機械系産業のソフト化がより進展など、産業のソフト化を加速する、構造転換の更なる後押しと、脱炭素価値の顕在化によって、今後10年以降の更なる投資の引き出し、2050年に獲得し得る市場規模としては、素材産業 約110兆円、自動車産業 約340兆円の期待が高まっています。
出典:経済産業省 第12回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 2023.3.1
エネルギー安定供給の確保を大前提としたGXの取組(概要)として、基本方針の基本的考え方など、以下のようにまとめています。
出典:経済産業省 第12回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 2023.3.1
今後10年間に150兆円超の官民GX投資を実現するため、国が総合的な戦略を定め、GX投資を前倒しで取り組むインセンティブを付与する仕組みとなる「成長志向型カーボンプライシング構想」を掲げています。
成長志向型カーボンプライシング構想
出典:経済産業省 第12回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 2023.3.1
成長志向型カーボンプライシング構想のイメージは以下のとおりです。
「先行投資支援」と、「排出削減を促進する措置(賦課金と排出量取引制度)」の両輪で、GX投資を加速化していくとしています。
出典:経済産業省 第12回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 2023.3.1
出典:経済産業省 第12回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 2023.3.1