DAO(2)DAOの活用おける、ビジネスモデル、コミュニティ、ガバナンスの3つの課題
DAOについて、何回かに分けて、DAOに関する内容を投稿しています。
デジタル庁は2022年12月27日、「Web3.0研究会報告書」を公表しました。
この中から、DAOに活用おける、ビジネスモデル、コミュニティ、ガバナンスの3つの課題について、とりあげたいと思います。
調査事例で確認されたDAOの活用における課題は①ビジネスモデル、②コミュニティ、③ガバナンスに分類され、ベストプラクティス確立に向けて試行錯誤がなされている状況となっています。
ビジネスモデルについて
一部分野で高い時価総額を誇るトークンを扱うDAOが存在していますが、ビジネスモデルは営利・非営利いずれの場合も試行錯誤の途上となっています。
持続可能な活動とするためには、資金等のリソースを循環させるビジネスモデルが必要であると指摘しています。
コミュニティについて
DAOにおけるガバナンス投票の参加率が限定的であり、提案の内容(例: コードの一部修正)が十分に吟味されるとは限らないと指摘しています。
こういった課題を解決していくため、参加者の人数、モチベーション、リテラシーの観点で質の高いコミュニティを築く必要があると指摘しています。
ガバナンスについて
DAOでは、ガバナンスについて以下の課題を挙げています。
• ガバナンス投票の定足数が限定的
• 悪意ある提案を検証する役割が不明確な場合がある
• 規制逃れのためにDAOが活用されるケースがある
• 悪意ある参加者にガバナンス投票制度を悪用される恐れがある
• 悪意ある参加者・提案に対して拒否権等の対抗策を取るとDAOの特徴の一つである分散性が損なわれる恐れがある
• インフラであるブロックチェーン自体の分散性にも疑義が残るケースがある
そのため、意思決定やオペレーションの際どの程度分散性を保ちながら運営の質を担保できるか、といった点を挙げています。
出典:デジタル庁 日本におけるデジタル資産・分散台帳技術の活用、事業環境整備に係る調査研究 最終報告書 2022.12