人材の育成・活性化と労働移動を通じた「構造的な賃上げ」の実現に向けて
政府は2022年10月5日、「令和4年第12回経済財政諮問会議」を開催しました。
本会議では、厚生労働省からは人材の育成・活性化と労働移動を通じた「構造的な賃上げ」の実現について、資料を公開しています。その中からポイントを取り上げたいと思います。
厚労省では、働く人の意識の変化や構造変化が加速していく中で、人材の育成・活性化や円滑な労働移動を促進することで、「多様な働き方」を可能とする労働市場の整備を通じた「構造的な賃上げ」の実現に向けた取り組みを進めています。
「多様な働き方」・「構造的な賃上げ」を実現する好循環に向けては、内部労働市場と外部労働市場での循環をつくること。これにより、様々な経済情勢の中においても、個人が多様な働き方を選択でき、安定した暮らしを送ることができる労働市場、「しなやかな労働市場」の推進が期待されます。
内部労働市場では、人材の育成・活性化を通じた賃上げに向けて
■個人の主体的なキャリア形成の促進
企業の多様な人材開発支援・個人支援、能力評価の充実を通じた本人の主体的なキャリア形成の促進。
■新たな経験を通じた人材の育成・活性化
在籍型出向、事業・職務転換、副業・兼業等といった「新たな経験」を通じたスキルアップの促進。
■ステップアップ等を通じた人材活用
非正規雇用の方々へのステップアップの機会を提供。
同一労働同一賃金の徹底。
外部労働市場では、賃金上昇を伴う円滑な労働移動に向けて
■市場全体の労働条件の改善
より高い賃金で新たに人を雇い入れる企業の取組を支援。
求人条件向上の指導強化等を通じた市場全体の賃金の底上げ。
■継続的なキャリアサポート・就職支援
希望に応じた就職が行えるよう、企業外での継続的なキャリアサポート。
■労働市場の見える化・インフラの強化
「労働市場の見える化」を進めるとともに、日本版O-NETの整備を行い労働市場インフラの強化を行う。
出典:令和4年第12回経済財政諮問会議
セーフティーネットの再整備では、ハローワークを通じたきめ細やかな就職支援。次なる雇用情勢の悪化に備えた雇用保険財政の早期再建を行うとしています。