日本銀行の中央銀行デジタル通貨(CBDC)とオルタナティブデータの取り組み
日本銀行は2022年3月25日、「中期経営計画(2019~2023年度)」の中間レビューについて、公表しました。
日本銀行の「中期経営計画(2019~2023年度)」では、環境変化への対応力を確保するため、本計画の開始から3年度目を目途に中間レビューを行うこととしており、今回中間レビューを行っています。
中間レビューの中から、日本銀行の中央銀行デジタル通貨(CBDC)とオルタナティブデータの取り組みについて、とりあげたいと思います。
これまでの取り組みでは、日本銀行は、「中央銀行デジタル通貨に関する日本銀行の取り組み方針」(2020 年 10 月)を公表し、取り組みをこれまで進めています。
また、デジタル化の進展に伴う日本銀行の業務における新たな課題への対応の一つとして、高頻度データや高粒度データなどのオルタナティブデータの利用可能性が増しているなか、日本銀行は、内外の金融経済情勢の調査・分析において、これらのデータを積極的に活用しているとしています。
今後の取り組みでは、特に、CBDCやオルタナティブデータに関する取り組みも示されています。
CBDCについては、2020 年 10 月に公表した取り組み方針に沿った対応を継続していくとしています。2021 年度に開始した実証実験については、2022 年4月から第2段階に移行し、CBDCに様々な周辺機能を付加して、実現可能性などを検証していくとしています。
こうした検証を経て、さらに必要と判断されれば、民間事業者や消費者が実地に参加する形でのパイロット実験を行うことも視野に入れて検討。また、中央銀行と民間事業者の協調・役割分担のあり方や金融システムに与える影響等について、内外の関係者と密接な意見交換を行いながら、CBDCに関する制度設計面の検討にも取り組んでいくとしています。
デジタル化の進展を踏まえた対応について、日本銀行の業務に及ぶ影響を考慮しつつ、幅広く取り組んでいくとし、例えば、日本銀行の業務の相手方となる金融機関等との間の事務の効率化や、日本銀行が行う調査・分析におけるオルタナティブデータの一層の活用も着実に進めていくとしています。