2025年までに主要市場セグメントにおける企業IT支出の半分以上がクラウドに移行
ガートナーは2022年2月9日、「クラウドシフト」に関する調査結果を公表しました。
ートナー、2025年までに主要市場セグメントにおける企業IT支出の半分以上がクラウドに移行すると発表
クラウドへの移行が加速し、プロバイダーの市場機会が狭まる
ガートナーの調査によると、エンタープライズの市場セグメントにおいて、パブリッククラウドコンピューティングへの企業IT支出は、2025年に従来のITへの支出を追い抜くと予測しています。
ガートナーの「クラウドシフト」調査では、アプリケーションソフトウェア、インフラソフトウェア、ビジネスプロセスサービス、システムインフラ市場のうち、クラウドに移行可能な企業ITカテゴリのみを対象としています。
2022年の41%に対し、2025年にはこの4つのカテゴリーにおけるIT支出の51%が、従来のソリューションからパブリッククラウドに移行していくと予測しています。アプリケーションソフトウェアへの支出は、2022年の57.7%から、2025年にはほぼ3分の2(65.9%)がクラウド技術を採用すると予測しています。
ガートナーでは、
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、組織が新しいビジネスと社会の動きに対応するため、クラウドへの移行は加速しており、クラウドシフトのペースに適応できないテクノロジープロバイダーやサービスプロバイダーは、時代遅れになるか、良くても低成長市場に追いやられるリスクが高まると指摘しています。
ガートナーによると、2022年には1兆3,000億ドル以上の企業IT支出で、2025年には1兆8,000億ドル近くにまで増加すると予測しており、クラウドシフトの潮流が高まり、2025年には9,000億ドルを超えると予測しています。クラウドへの移行が引き続き成長していく背景には、分散型クラウドを含む新しいテクノロジーの導入により、さらに拡大することが予測しています。この分散型クラウドにより、その多くは、これまでの従来型のIT環境とクラウドとの境界線を曖昧にもしていくとしています。
分散型クラウドの企業導入は、これまで主に非クラウドであった領域にパブリッククラウドサービスを持ち込み、対応可能な市場を拡大するため、クラウドシフトをさらに加速させる可能性があるとし、企業は、データ主権、低レイテンシー、ネットワーク帯域幅など、場所特有の要件を満たすことができるため、評価が高まっています。
一方、クラウド事業者間の競争はさらに加速度を増していることから、クラウド事業者は、特定のペルソナ、採用プロファイル、ユースケースをターゲットにして、市場参入のイニシアチブをとる必要があるとしています。
出典:ガートナー 2022.2.9