DX推進に関する企業の動向アンケート、DXへの本格的な取り組みを進めている企業は1割にとどまる
帝国データバンクは2021年12月8日、「DX推進に関する企業の動向アンケート」の調査結果を公表しました。
■本格的なDXへの取り組みである「デジタル技術を活用して商品・サービスの変革」は1割にとどまる
DXおよびデジタル化などDX推進に向けた取り組みを実施している企業は81.8%、取り組んでいない企業は17.0%となっています。
取り組んでいる企業で、その具体的な内容は「オンライン会議設備の導入」(61.9%)や「ペーパーレス化」(60.6%)などDX実現の初期段階の取り組みである業務環境のオンライン化などが上位を占めています。
一方で、デジタル技術を活用して「既存製品・サービスの高付加価値化」(11.7%)および「新規製品・サービスの創出」(10.8%)といったDXへの本格的な取り組みを進めている企業は1割にとどまっています。
「小規模企業として、DXに取り組むには費用がかかる」(製造、長野県)といった費用面に対する懸念の例もあげています。
■企業規模によってDX推進に向けた取り組みに濃淡がみられる
新規模別にみると、「大企業」は、「オンライン会議設備の導入」が8割超にのぼったほか、ペーパーレス化やリモート設備の導入なども半数以上の企業で推進しています。
他方、「中小企業」においても、半数以上の企業でペーパーレス化などを進めていますが、ほとんどの項目で「大企業」を下回っています。
本アンケートの結果、企業の本格的なDXへの取り組みは進んでいないことが数値から読み取れます。
新型コロナウイルスの感染拡大を機に業務環境のオンライン化の急速な進展によってDX推進の初期段階はクリアできているものの、ビジネスモデルや組織マインドの変革のような本格的な取り組みに着手できている企業は多くありません。
本格的なDX実現に向けて、企業は社会のニーズを見極め、デジタル技術を活用してビジネスの変革を行うことが求められるとしています。
出典:帝国データバンク 2021.12