2025年までにデジタルを前提とした組織カルチャーへの転換を果たす大企業は20%にとどまる。
独立系ITコンサルティング・調査会社である株式会社アイ・ティ・アール(ITR)は2021年10月26日、「ITRが2022年に注目すべき12のIT戦略テーマ」を発表しました。
ITRでは、2022年以降に予見されるIT動向を踏まえて、「企業変革」「データ高度活用」「テクノロジ革新」の3つの視点から提言を取りまとめまています。
「企業変革」では、
・社会や環境を考慮したIT投資管理手法の確立
・デジタルを前提とした企業変革プログラムの推進
・企業変革に向けた人材管理のシステム化と高度化
・デジタルによる従業員体験の向上
の4つの項目をあげています。
デジタルを前提とした企業変革プログラムの推進では、
社会・経済のデジタル化が浸透するなか、DXにとどまらず、企業そのものをデジタルを前提に変革していく取り組みが不可欠である。従業員一人ひとりの意識や行動様式を含む組織カルチャーを変容させていくためには、変革プログラムのマネジメントが必要となる。
としています。
ポイントとなるキーワードは、
・コーポレートトランスフォーメーション
・組織カルチャーの変革
・チェンジマネジメント
です。
ITRでは、
・2023年までに大企業のDXプロジェクトのなかで、新たな成長の源泉を創出できる企業は20%にとどまる。
・2024年までにDXを推進する大企業の20%がチェンジマネジメントを採用する。
・2025年までにデジタルを前提とした組織カルチャーへの転換を果たす大企業は20%にとどまる。
と予測しています。
個人的に、関心を持った予測が
・2023年までに大企業のDXプロジェクトのなかで、新たな成長の源泉を創出できる企業は20%にとどまる。
です。
企業のDX推進には、業務改善などの守りのDXに加えて、新しい事業を創造する攻めのDXが求められています。
とはいいものの、大企業のDXプロジェクトの中においても、新たな成長の源泉を創出できる企業は20%にとどまるということは、多くの企業は、なかなか成果を出せないということを意味していると思います。
一方、
・2025年までにデジタルを前提とした組織カルチャーへの転換を果たす大企業は20%にとどまる。
と予測しているおうに、組織カルチャーそのものの転換を果たすことのできる大企業は20%にとどまっており、組織変革そのものも大きくハードルがあることが伺えます。
出典:ITR 2021.11