成長する世界のクラウドサービス市場、データセンターのハードウェア&ソフトウェアの市場を大きく上回る
米調査会社のSynergy Research Groupは2020年3月18日、エンタープライズ向けのクラウドサービスとデータセンターに関する市場調査資料を公表しました。
2020 - The Year that Cloud Service Revenues Finally Dwarfed Enterprise Spending on Data Centers
Synergy Research の調査によると、クラウドインフラストラクチャサービスへの企業の支出は2020年も引き続き積極的に増加し、35%増加して約1,300億ドルに達しています。
一方、データセンターのハードウェアとソフトウェアへの企業の支出は6%減少して900億ドルを下回っています。
2020年には、エンタープライズデータセンターのハードウェアとソフトウェア(サーバー、ストレージ、ネットワーキング、セキュリティ、および関連するソフトウェアを含む)への世界的な支出は890億ドルでした。
2019年には、2つの市場の規模はほぼ同じでしたが、2020年には、COVID-19が、世界的なIT運用におけるこの大きな変化をさらに加速させています。
10年間で、データセンターの平均年間支出の伸びはわずか2%に対して、クラウドサービス(IaaS、PaaS、およびホストされたプライベートクラウド)の平均年間支出は52%となっています。
10年間で最も高い成長率を示した主要なセグメントは、仮想化ソフトウェア、イーサネットスイッチ、およびネットワークセキュリティでした。データセンター市場全体に占めるサーバーのシェアは安定していましたが、ストレージのシェアは低下しています。
1,300億ドルのクラウドインフラストラクチャサービス市場内で、10年間で最も高い成長率を示した主要なセグメントは、主にPaaS内、特にデータベース、IoT、分析でした。全体に占めるIaaSのシェアはかなり安定していますが、マネージドプライベートクラウドサービスのシェアはやや低下しています。
ITサービスはデータセンターへのコロケーションからクラウドサービスに大きくシフトしており、データセンターは今後増減を繰り返す一方で、クラウドサービスは引き続き大きな成長が期待されています。
出所:Synergy Research Group 2021.3.18