クラウド市場の成長率は鈍化するが、新型コロナウイルスの影響によりクラウド市場は予測よりも高成長
米調査会社のSynergy Research Groupは2020年12月5日、2020年度第3四半期に企業のクラウドサービスの市場調査結果を公表しました。
COVID-19 Boosts Cloud Service Spending by $1.5 Billion in the Third Quarter
Synergy Research Groupの調査によると、COVID-19が企業の行動に変化をもたらし、オンプレミス運用からクラウドベースのサービスへの移行を加速させたため、第3四半期に企業のクラウドサービスへの支出が大幅に増加しています。COVID-19は、第3四半期にクラウドサービスの支出を15億ドル押し上げています。
IaaS、PaaS、SaaSはすべて現在も急速に成長している巨大な市場ですが、その規模により必然的に成長率は年を追うごとに鈍化はしています。
一方、第3四半期には、これら3つのクラウドサービスすべてで成長率が著しく回復し、通常の状況で予想されていたものから約3パーセントの成長が高くなっています。
四半期ごとに、主要なクラウドプロバイダーは、サービスに対する企業の支出が大幅に増加することで恩恵を受けています。
出所:Synergy Research Group 2020.12
クラウドインフラストラクチャサービス(IaaS、PaaS、およびホスト型プライベートクラウドサービス)とSaaSへの企業支出は第3四半期に650億ドルに達し、2019年の第3四半期から28%増加しています。
PaaSは引き続き最高の成長率を示し、第3四半期には37%増加しています。
Synergyでは、クラウド市場は、第3四半期には力強い成長が見込まれており、実際の成長は予想よりも高かったとしています。その大きな要因は、COVID-19がその成長率を押し上げ、ワークロードは予想よりもさらに迅速にパブリッククラウドに移行し、ハイブリッドクラウドサービスの利用も進んでいます。