2020年のデータセンターのM&A取引額は300億ドルに
米調査会社のSynergy Research Groupは2020年12月14日、世界のデータセンターのM&Aの市場動向を公表しました。
2020 Data Center M&A Deal Value Passes the $30 Billion Milestone
Synergy Research Groupの調査によると、2020年の最初の11か月に完了したデータセンター指向のM&A取引額は、これまでの最大取引額の2017年を大幅に超え、300億ドルを超えています。
12月には取引の数がまだ残っていますが、2020年にはこれまでに113件の取引が総額309億ドルで完了しています。
出所:Synergy Research Group 2020.12
特に規模が大きかったのが、Digital RealtyによるInterxionの84億ドルによる買収です。これが、2020年の取引額を大幅に押し上げています。
2015年以降、最大のM&Aの規模は、
DigitalRealtyによるInterxionとDuPontFabrosの買収
中国の投資家グループによるGlobal Switchの買収
EquinixによるVerizonデータセンターとTelecityの買収
となっています。
2015年から2020年の期間で、圧倒的に最大の投資家は、世界の2つの主要なコロケーションプロバイダーであるDigitalRealtyとEquinixとなっており、この2社で期間中の総取引額の31%を占めています。
シリアルアクワイアラーである他の注目すべき企業には、
コロニー、サイラスワン、GDS、デジタルブリッジ/データバンク、アイアンマウンテン、NTT、GIパートナー、カーターバリダス、QTS、ケッペルが含まれています。
日本企業でみると、NTTのみとなっています。
Synergy ResearchGroupでは、2020年がデータセンターのM&Aでは最も活発な時期であるとし、今後も引き続き堅調に進むと予測しています。
データセンターは規模の経済(スケールメリット)が重要となります。このデータセンターのM&A競争にどこまで、日本企業が対抗できるのか、注目されるところです。