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DXの進展によりアプリケーションPaaSの活用が重要に

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調査会社のIDC Japanは2020年11月5日、「国内アプリケーションPaaS市場の2019年の実績と2020年~2024年の予測」を発表しました。

アプリケーションPaaS市場は、

・パブリッククラウドサービスにおいて、Java EEや.NET、Springなどの標準フレームワークで構築されたアプリケーションの実行環境を提供するデプロイメントセントリックアプリケーションプラットフォーム(DCAP)市場

・開発とランタイムを1つのプラットフォームに結合し、GUIやビジュアルモデリング機能を備えてドラック&ドロップや単純なスクリプトでアプリケーションの構築を可能とし実行環境を提供するモデル駆動型アプリケーションプラットフォーム(MDAP)市場

の2つから構成されています。

2019年の市場実績は前年比成長率20.9%となり、市場規模は306億6,600万円となり、Webアプリケーションの実行環境がオンプレミスからクラウドサービスへシフトしていることや、コンテナアプリケーションをはじめとするクラウドネイティブアプリケーションの実行環境としてDCAPの利用が拡大しているとしています。 企業において業務やビジネスの柔軟性を高めるために業務アプリケーションの迅速な開発に対するニーズが高まり、ローコード/ノーコード開発機能を備えたMDAPの需要が拡大しています。 スクリーンショット 2020-11-08 10.21.12.png 出所;IDC Japan 2020.10

IDCでは、2020年は前年比成長率を13.0%、市場規模は346億5,800万円と予測し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による景気後退によって、企業におけるITシステムの開発/導入案件の中止や凍結などが起こるため、市場の成長は一時的に減速すると予測しています。

COVID-19が収束に向かうことが予想される2021年からは成長が再加速し、2022年が前年比成長率のピークを迎え、2019年~2024年の年間平均成長率を17.7%と予測しています。 DCAPはJavaアプリケーションのオンプレミスからPaaSへの移行の加速とDXに向けたクラウドネイティブアプリケーション開発の増加によって非常に高い成長が見込まれ、MDAPはローコード/ノーコード開発やワークフローの自動化に向けた活用が拡大していくと予測しています。

IDCでは

    DXの進展によってアプリケーションは大きな変革期に入っている。開発の迅速化と容易化、実行環境の拡張性とアジリティを高めるためには、アプリケーションPaaSの活用が重要になってくる。さらにCOVID-19を契機として、企業は事業継続性のさらなる強化のため、オンプレミスのアプリケーションプラットフォーム環境をPaaS環境に移行する戦略を推し進めていくであろう

とコメントしています。

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