世界のクラウド市場は前年度比37%で成長、新型コロナウイルスの影響は追い風に
Synergy Research Groupは2020年4月30日、「世界の第1四半期のクラウドサービス市場」を公表しました。対象となっているのはIaaS、PaaS、Hosted Private Cloudです。
2020年第1四半期のクラウド市場は前年度の2019年度から37%増加して290億ドルに達しています。その後の12か月の収益は1,040億ドルに達すると予測しています。パブリックIaaSおよびPaaSサービスが市場の大部分を占めており、これらは第1四半期に39%増加しています。
新型コロナウイルスによるマイナス影響はなく、新型コロナウイルスの影響はむしろ追い風となっています。
市場のシェアをみると、AWSが32%を占めており、マイクロソフトが3%増加し18%、グーグル(8%)、アリババ、IBMなどが追いかける構図となっています。トップ5プロバイダーの優位性は、市場の4分の3を支配しているため、パブリッククラウドではさらに顕著となっています。
中でもGoogle、Alibaba、Tencentは、市場全体の成長を大幅に上回り、市場シェアを大きく伸ばしています。3つの事業者とも、収益は前年比で45%以上増加しています。
一方、IBM、Salesforce、Oracle、Rackspaceのクラウド事業者は上位の事業者ほどの成長率ではないもののそれぞれがニッチの市場シェアを保持しています。
出所:Synergy Research 2020.4.30
Synergy Researchででは、新型コロナウイルス感染は、世界中のコミュニティや経済に壊滅的な影響を与えている一方、クラウドサービス市場にややプラスの影響を与えていることを示しているとしています。
多くの企業は通常の運用業務が難しい状況となっており、クラウドの採用を後押しする状況となっています。
クラウド事業者の収益は驚異的な勢いで成長しており、上位事業者はさらに強さを発揮しています。