AI主要市場の成長は前年度比53.5%増、画像認識技術の実用化がさまざまな産業に拡大
独立系ITコンサルティング・調査会社である株式会社アイ・ティ・アールは2019年12月19日、国内ビジネス分野で実用化が進んでいる「AI主要6市場(画像認識、音声認識、音声合成、言語解析、検索・探索、翻訳)の市場規模推移および予測」を発表しました。
2018年度のAI主要6市場の売上金額は199億5,000万円、前年度比53.5%増と大幅な伸びとなっています。AI主要6市場は今後も継続的な伸びが見込まれることから、CAGR(2018~2023年度)は26.5%、2023年度には640億円に達すると予測しています。
出所:ITR 2019.12
AI主要6市場の成長は、技術的な進歩に加え、各種製品・サービスと組み合わせたソリューションの拡大により活用用途の多様化の進展が成長の背景となっています。
AI主要6市場の中で2018年度に最も高い伸びを示したのが画像認識市場で、工場などで行っている製品の外観検査や作業員の安全管理業務で導入が進み、道路や橋などの社会インフラ、各種建造物の保全業務での利用も急速に進みつつあるとしています。
今後も顔認証や車両の自動運転など、活用シーンの多様化により、継続的な導入拡大が見込まれまれるとしています。機械学習、とりわけディープラーニングの進化、カメラやドローンといった周辺機器の充実などに伴い、人間の目の役割を担う画像認識技術の実用化がさまざまな産業に拡大。なかでも、これまで目視で行ってきたインフラや設備の点検作業への活用が大きく進んでいるとしています。
画像認識に次いで高い伸び率を示しているのが言語解析で、現状コールセンターでの活用を中心に導入が進んでおり、コンタクトセンターにおける顧客の声の分析や、契約書などの文書管理など実務への適用が進んでおり、今後幅広い分野に拡大すると予想しています。