ロボットの社会実装を促進するためのタスクフォース
経済産業省と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2019年11月12日、ロボットの社会実装に向けて、ロボットユーザーが主導し抽出する施設環境などの共通課題の解決のため、同ユーザーとシステムインテグレーターなどが協力して取り組む「ロボット実装モデル構築推進タスクフォース」を立ち上げを発表しました。
政府では、ロボットの社会実装を加速し、課題先進国である日本のロボットによる社会変革を推進することを目的に、2019年5月から、内閣府、厚生労働省、文部科学省と合同で「ロボットによる社会変革推進会議」を開催し、分野横断的な施策の検討を進め、7月に「ロボットによる社会変革推進計画」として取りまとめてきています。
自動車や電機・エレクトロニクス分野等と異なり、ロボットの導入が進んでいないサービスや三品産業分野などにおいては、人手不足といった課題が浮き彫りとなっています。
こういった社会課題の解決のためのツールとして、ロボットに対する期待は極めて高いと考えられます。そのため、これらの分野におけるロボットの導入を進めるべく、様々なプレーヤーが協力して実証実験をはじめとした取組を進めている状況にあるとしています。
このようなロボットの導入を進める取組は極めて重要であるものの、現時点では、ある特定の企業の活用を想定した活用範囲の狭いロボットの利用を前提とした開発や供給が行われているケースが多い状況であると指摘しています。このままでは、ロボットは高機能・特定企業仕様ゆえの高コスト構造から脱却し難く、現時点においては、幅広くロボットの導入を進めていくことへの障壁が存在している状況にあるという課題をあげています。
「ロボットによる社会変革推進計画」には、
①ロボットの社会実装に向けて、ロボットメーカーのみならずユーザーやシステムインテグレーターも巻き込んだエコシステムの構築
②産学が連携し、高専や工業高校における教員や学生に対する人材育成
③中長期的課題に対応するため、産学が連携して実施する基礎・応用研究に関する体制構築
などが盛り込まれています。
上記①を具体化する施策として、人手不足等が深刻化している、施設管理、小売・飲食、食品の3分野について、ロボットのリーディングユーザーを核に、システムインテグレーター等が集うタスクフォース(TF)を立ち上げ、各分野におけるロボット実装モデルの創出を目指していくとしています。
参加企業には、ユーザ側には、イオンやキューピー、トヨタ自動車、パナソニック、JR東日本などが入っています。
出所:経済産業省 ロボットの社会実装を促進するためのタスクフォース 2019.11
政府では、本年度末を目途に、3分野のロボット実装モデルを取りまとめ、公表する予定としています。