日本のハイプ・サイクルにおける「クラウド」の変遷
ガートナー ジャパンは2019年10月31日、「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2019年」を発表しました。
出所:ガートナー 2019.10
ハイプ・サイクルをでは、「過度な期待のピーク期」や「黎明期」に注目が集まりますが、個人的に注目しているのが、「クラウドコンピューティング」の位置付けとこれまでの変遷です。
ハイプ・サイクル 2019では「クラウドコンピューティング」は「啓蒙活動期」に位置付けられており、長い「幻滅期」を経て、「クラウドコンピューティング」は、啓蒙する時期にきています。
では、「クラウドコンピューティング」のハイプ・サイクルの歴史を2010年からみてみたいと思います。
2010年:過度な期待のピーク期
2011年:過度な期待のピーク期(幻滅期とのボーダー)
2012年:幻滅期
2013年:幻滅期
2014年:幻滅期
2015年:該当なし
2016年:幻滅期(底を超える)
2017年:幻滅期(啓蒙活動期のボーダ)
2018年:啓蒙活動期
2019年:啓蒙活動期
おそらく、このように、同じようなスパンで、変遷したテクノロジーは数少ないでしょう。
2019年4月に、「イラスト図解式 この一冊で全部わかるクラウドの基本 第2版」を上梓しましたが、企業のプライベート勉強会などで、クラウドの基本から話をしてほしいという機会も増えてきています。
「クラウドコンピューティング」はキャズムを超え、アーリーマジョリティ、さらには、レイトマジョリティの領域まで浸透しつつあるというところまできているということを実感しています。
政府が2018年に「クラウド・バイ・デフォルト原則」を出したように、「クラウドノーマル」と言われるまでには、もう少しのところにきているのではないかと感じています。