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企業のIT投資は拡大傾向、IT部門が直面している課題のトップは「セキュリティ/リスク管理の強化」 〜IDC Japan調査より

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調査会社 IDC Japan は2019年8月16日、IT投資動向に関する調査を行い、その結果を発表しました。

2018年度の国内企業のIT予算は全体的に増加傾向で、特に従業員数1,000人以上の大企業は、前年度と比較してIT予算が「増加」したとの回答が39.5%と高くなっています。

さらに、2019年度のIT予算計画ではその傾向がますます強まり、大企業では「増加」の回答は合わせて46.5%に達しており、大企業を中心に、IT投資の拡大傾向が続いています。

2018年度のIT支出の内訳をみると、大企業を中心に、既存システムの改修/改善だけでなく、新しいシステムの開発に積極的な投資が行われていることも明らかになっているといいます。

IT部門の課題として全体の回答率トップになったのは「セキュリティ/リスク管理の強化」で次いで「IT要員不足の解消」を挙げる回答も多く、従業員数100人未満の中小企業の中では1位、全体でも2位の回答率を示しています。

新規開発への取り組みが活発化し、セキュリティなどの領域で高度な専門家の需要も高まっているのに加え、システム開発やITインフラ構築の内製化を強化する傾向も見られることから、慢性化している人材不足傾向がさらに深刻化していることが浮き彫りとなっています。

IDCでは、拡大するIT投資意欲に反して深刻化が進むIT人材不足はIT部門の人員の負担を増大すると共に、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に対する大きな阻害要因ともなり得ると指摘しています。

業務部門による独自のIT投資も拡大していることを背景に、同様の課題が業務部門でも発生している可能性があると考えらるとしています。

IDCでは、国内サービスベンダーには、企業のIT部門と業務部門の双方をテクノロジーによってサポートし、その負担を軽減させつつ、企業のDXジャーニーを包括的に支援する役割が求められる

と指摘しています。

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出所:IDC Japan 2019.8

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