量子技術イノベーションを創出するための5つの戦略
内閣府は2019年6月19日、「総合科学技術・イノベーション会議(第45回)」を開催しました。
本会議の中で、「量子技術イノベーション戦略 中間整理」を公開していますので、その一部をとりあげたいと思います。
量子技術をめぐる国内外の動きをみると、米欧中を中心に諸外国では、「量子技術」を国家戦略上の重要技術と位置づけ、戦略策定、研究開発投資の拡充、拠点の形成等を急速に展開している状況となっています。
その一方で、日本は、国を挙げた戦略的な方向性や世界に顔の見える研究開発拠点等が存在していません。諸外国と比べると、ロジェクト経費の国の予算額は、概ね70億円弱程度で、日本の研究開発投資は見劣っており、このままでは量子技術で諸外国に致命的な遅れをとるおそれがあると指摘しています。
量子技術イノベーション戦略 中間整理では、日本においても「量子技術イノベーション」を明確に位置づけ、日本の強みを活かし、重点的な研究開発や産業化・事業化を促進し、量子コンピュータのソフトウェア開発や量子暗号などで、世界トップを目指すことを示しています。
量子技術イノベーション創出に向けた重点推進項目は、融合領域の設定と量子拠点の形成、そして、国際協力の推進の3つを掲げています。これらのを推進し、量子技術イノベーションを創出するため、「技術戦略」、「国際戦略」、「産業・イノベーション戦略」、「知財・国際標準化戦略」、「人材戦略」の5つの戦略を提示しています。
出所:総合科学技術・イノベーション会議(第45回)2019.6
「技術戦略」と「国際戦略」は以下のとおりです。
主要技術領域は以下の5つとなっています。
ⅰ)量子コンピュータ・量子シミュレーション
ⅱ)量子計測・センシング
ⅲ)量子通信・暗号
ⅳ)量子マテリアル(量子物性・材料)
出所:総合科学技術・イノベーション会議(第45回)2019.6
「産業・イノベーション戦略」、「知財・国際標準化戦略」、「人材戦略」の戦略は以下のとおりです。
産学官等による量子技術の産業利活用等を検討・模 索する場である「量子技術イノベーション協議会」 の創設を支援
出所:総合科学技術・イノベーション会議(第45回)2019.6