増加する大学発ベンチャー、東大、京大、筑波、大阪など国立大学が上位。成長要因は?
経済産業省は2019年5月8日、「平成30年度大学発ベンチャー実態等調査」を公表しました。
大学発ベンチャー実態等調査は、「イノベーションの担い手」として高く期待される大学発ベンチャーの効果的な支援検討のため実施し、大学発ベンチャーの設立状況の把握や事業環境やニーズ等を調査し、成長に寄与する要因を分析しています。
大学発ベンチャー数の推移をみると、平成29年度調査と比べ185社増加しています。
出所:経済産業省 平成30年度大学発ベンチャー実態等調査 2019.5
本調査では、下記の5つのうち1以上にあてはまるベンチャー企業を「大学発ベンチャー」と定義しています。
1.研究成果ベンチャー:大学で達成された研究開発に基づく特許や新たな技術・ビジネス手法を事業化する目的で新規に設立されたベンチャー
2.共同研究ベンチャー:創業者の持つ技術やノウハウを事業化するために、設立5年いないに大学と共同等を行ったベンチャー
3.技術移転ベンチャー:既存事業を維持・発展させるため、設立5年以内に大学から技術移転等を受けたベンチャー
4.学生ベンチャー:大学と深い関係のある学生ベンチャー
5.関連ベンチャー:大学からの出資がある等その他、大学と深い関連のあるベンチャー
大学発ベンチャーの大学別創出数では、東大、京大、筑波、大阪など国立大学が上位を占めています。
出所:経済産業省 平成30年度大学発ベンチャー実態等調査 2019.5
現在上場している大学発ベンチャーは64社、時価総額は約2.4兆円で、2016年度調査以降で解散とした企業386社のうち、M&Aによるものは16社となっています。
出所:経済産業省 平成30年度大学発ベンチャー実態等調査 2019.5
大学発ベンチャーの成長要因分析をみてみたいと思います。
ステージ前期では、「エンジェル・VCからの出資あり」、「国内大企業とのアライアンスあり」、「大学・公的研究機関とのアライアンスあり」、「技術顧問が企業の技術者・研究者」となっています。
ステージ後期では、「CEOの経歴が企業の経営層であること」が成長要因として有意な結果となっています。
出所:経済産業省 平成30年度大学発ベンチャー実態等調査 2019.5