2023年までに、相互接続されたデジタル・ビジネス・エコシステムに参加する企業では、自社の顧客サービス案件の40%が、エコシステム内のパートナー企業によって開始される
調査会社のガートナーは2019年1月24日、今後3~5年間で企業の顧客戦略に大きな影響をもたらす、「CRMとカスタマー・エクスペリエンス (CX) 関連テクノロジの2019年の展望」を発表しました。
ガートナーでは、2019年のCRMとCXについて「デジタル・トランスフォーメーションにおける顧客中心主義の追求」にフォーカスして予測しています。デジタル・トランスフォーメーションの実現に向けて、顧客中心主義の推進は、CXリーダーと共にCIOが検討すべき中核的な要素の1つとしています。
ガートナーでは、顧客戦略の策定に当たり、CXリーダーは、AI、チャットボット/仮想アシスタント (VA)、ゾンビ・アプリ、拡張現実/仮想現実 (AR/VR)、リアルタイム・ケイパビリティ、データ・プライバシーなどについて、幅広い観点から見解を持つ必要があ、そのほかに知っておくべき予測として以下の3点をあげています。
2018年に提供が開始されるボット/VAアプリケーションの40%は、2020年までに廃止される
2022年より前に、CRMプロシージャにおける不十分なプライバシー管理に起因するGDPR違反に対し、規制によって最大規模の制裁が課される
2023年までに、相互接続されたデジタル・ビジネス・エコシステムに参加する企業では、自社の顧客サービス案件の40%が、エコシステム内のパートナー企業によって開始されるようになる
この中で、デジタル・ビジネス・エコシステムについての予測をとりあげたいと思います。
デジタル・ビジネスを進める企業の中には、現在のビジネスを改善する業務改革から、新しい製品/サービスやエクスペリエンスを創出するビジネス変革のイノベーションへと移行している企業が見られるとしています。
そのような企業では、従来のビジネスモデルからプラットフォーム・ビジネスなどの新しいビジネスモデルへと変革しており、先進的な企業は、顧客サービスのニーズとセンチメントを感知してモニタリングし、より先取的なエクスペリエンスをエコシステムのすべてのパートナーに提供している点をあげています。
ガートナーでは、今後は、ネットワークでつながった顧客サービス・エコシステムの重要度が高まり、2023年までに、顧客サービス案件の40%は、エコシステム内の兆候やセンチメントを検出することで開始されるようになる (現在は5%未満) と、予測しています。
データが流通し、ネットワークが相互につながる時代では、エコシステムの枠組みの中での収益機会の獲得はますます重要となっていきそうです。