第4次産業革命のコア技術(IoT、ビッグデータ、AI、ロボット)による競争領域と協調領域
産業構造審議会 新産業構造部会は2017年4月27日、「新産業構造ビジョン 〜第4次産業革命をリードする日本の戦略〜 中間整理」を公表しました。
第4次産業革命におけるコア技術(IoT、ビッグデータ、AI、ロボット)は、全ての産業における革新のための共通の基盤技術であり、様々な各分野における技術革新・ビジネスモデルと結びつくことで、全く新たなニーズの充足が可能になるとし、以下のとおり組み合わせの一例を示しています。
<組み合わせの一例>
共通基盤技術×金融技術×購買・商流データ、金融市場データ=取引・決済データによる与
信、ロボアドバイザー(資産運用)等
共通基盤技術×医薬品開発技術×健康医療データ=個別化医薬品、個別化健康・美容サービス等
共通基盤技術×バイオインフォマティクス×ゲノム編集×生物データ
=新規創薬、新種作物、先端材料製造、バイオエネルギー等
共通基盤技術×エネルギー負荷機器制御技術×顧客データ=エネルギーデマンドレスポンス、見守りサービス等
共通基盤技術×生産管理技術×事故・ヒヤリハットデータ=異常・予兆の早期検知等による装置型産業の安全性・生産性向上、保険・格付けの高度化等
出所:新産業構造ビジョン 中間整理 2017.4.27
新産業構造ビジョンする具体的戦略として、データ利活⽤促進に向けた環境整備による、日本が強みを活かせる分野において、競争領域・協調領域を明確化した上で、グローバルにデータプラットフォームの構築を推進することが重要としています。
当面の対応案の具体的なデータプラットフォーム構築として以下をあげています。
(スマート工場)2020 年までに、センサー等で収集したデータを、工場間、工場と本社間、企業間など組織の枠を超えて活用する先進事例を 50 件以上創出
(産業保安)IoT 等を活用した常時監視を行う場合に検査頻度を低減するなど、新たな規制システムを本年度中に導入
(自動走行地図)企業の枠を超えて地図の仕様を統一し、これをもとに国際標準化を提案。早ければ 2018 年までに官民連携で地図データを整備し早期実用化。
(健康・医療)個別本人同意の下で、レセプト・検診・健康データを集約・分析し、個別化健康サービスを提供する実証を本年度中に開始
(流通)消費者の購買データ(=デジタルレシートデータ)標準フォーマットの策定・普及、コスト削減と性能を飛躍的に向上させた RFID(電子タグ)の導入促進
(リサイクル)バリューチェーンの各工程における製品の素材・設計・ユーザーの使用状況・回収・再生等の情報や、製品等に含まれ国内に分散する地上資源の情報等を統合したプラットフォーム構築
- データに関する契約実態の把握、契約ガイドライン、契約のひな形・モデル条項等の作成
- データ流通市場形成に向けた先行事例の推進
(IoT 推進ラボを通じたデータ取引仲介事業者に対する支援、提供可能なデータの明示)
- 従来の対面・書面原則を転換し、原則 IT 化を推進
自動走行地図にかかわる協調領域では、3D地図情報などは各社の強調がスケールメリットをもたらすとしています。
出所:新産業構造ビジョン 中間整理 2017.4.27