コンピュータが人類を超える日(1)「シンギュラリティ(技術的特異点)」問題
米Appleが9月9日、最先端の技術を搭載した4.7インチの「iPhone 6」と5.5インチの「iPhone 6 Plus」の発売、さらにはApple Watchを発表したように、テクノロジーは日々進化し、ユーザがそれらを使いこなす時代となっています。
コンピュータ・テクノロジーの進化とともに、将来的には、コンピュータが個々の人間の能力を超え、さらには、人類全体の能力をはるかに超え、人間が歴史の進捗を予測できなくなる日が来ると言われています。その人類全体の能力を超える日が、2045年に訪れるのではという予測もあり、この人類を超える時点を「シンギュラリティ(技術的特異点)」と呼ばれています。
仮に2045年の人口が100億人になっているとした場合、コンピュータが一人の人間の能力の100億倍を持つという計算になります。
「シンギュラリティ(技術的特異点)」は、社会に多くのメリットをもたらす一方、多くの問題を引き起こし社会に大きな混乱をもたらし、社会の秩序を破壊してしまうという可能性も否定はできないでしょう。
「シンギュラリティ(技術的特異点)」は、これからの社会においては、そう遠くはない未来に、社会人類上で解決していかなければならない、もっとも重要なテーマの一つとなっていくことが予想されます。
すでに、世界各国ではこれからのテーマについて、本格的な取り組みを始めています。
米国では2008年、米国連邦政府、NASA、そして、民間企業ではグーグルなどの支援によりシリコンバレーにあるNASAのエイムズリサーチパークに拠点をおく教育機関「Singularity University(シンギュラリティ大学)」が設立され、人工知能、応用コンピュータ技術、バイオテクノロジー、ナノテクノロジーなどの研究が進められています。
2014年11月19,20日には、世界各都市で「Singularity University Summit」も開催されます。
「シンギュラリティ(技術的特異点)」について、最も意見を唱えているのが、米国の人工知能研究者・未来学者でシンギュラリティ大学の設立者の一つでもあり、レイ・カーツワイル氏です。カーツワイル氏はコンピュータ・テクノロジーの指数関数的進歩をとげる「収穫加速の法則(The Law of Acceeratig Returns」の持論を展開しており、コンピュータの能力は10年後には1000万倍、そして、30年後には10億倍に達する計算となります。
ムーアの法則でも「半導体チップの集積度は、約18ヵ月で2倍になる」と唱えており、コンピューター・テクノロジーの性能は現在の約264万倍の性能になる計算となります。
カーツワイル氏は、「2029年には、人工知能は人間と同等の能力を持つ」と指摘しているように、いずれにしても数十年のスパンで、人間を能力を脅かす時代になることは、十分に考えられるでしょう。
本ブログは、「2045年問題 コンピュータが人類を超える日」を参考にしています。次回以降は、本書を参考にしつつ、コンピュータと人類の関係性について整理をしてみたいと思います。