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ソーシャル・イントラネットのこれから

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日経コミュニケーション2012年5月号の特集は「クラウドとスマホで加速する ソーシャル・イントラネット活用の研究」を興味深く読ませていただきました。

ソーシャル・イントラネットとは、本記事では一言で表現すると「企業内コミュニケーション用のFacebook」としており、ソーシャル・イントラネットを作ることで、従業員同士のつながりを深め、組織の壁に阻まれることなくスムーズに流れる仕組みができるとしています。

ソーシャル・イントラネットが必要になる背景としては、

・組織の壁や距離を越えた共同作業の必要性
(グローバル化、新規事業開拓、企業間コラボなど)
・チーム力強化の必要性(商品力アップ、業務の効率化など)
・BCP強化の必要性(新たな手段の追加、広範囲での情報共有など)

をあげています。

ソーシャル・イントラネットの特徴としては、

・情報を得る側が、組織に依存せずにユーザや情報を”フォロー”
・プロフィールがわかるため、メールのように名乗ったり、挨拶したりという手段が不要
・タイムラインにほぼリアルタイムにメッセージ表示。次々にプッシュ配信されてくる
・メッセージ、ファイル、タスクなどの情報を共有
・やりとりしたメッセージはスレッドの形式で保存。やりとりの経緯を容易に検索できる
・SaaS、スマートデバイスに対応

ソーシャル・イントラネット実現に向けたヒントとしては、

・利用目的を明確にする
・使わせる/使わせないルールを設ける
・スモールスタートする
・先導チームを作り定着に向けた施策を打つ
・IT部門は主導しない

をあげています。

2007年ごろ、ソーシャル・イントラネットと同じような意味を持つ「エンタープライズ2.0」というキーワードが注目されていた時期でもありました。

私が始めて、ITmediaエンタープライズに寄稿させていただいた2007年8月1日の記事「エンタープライズ2.0時代の到来:“2.0”は企業内コラボの特効薬なのか」では、

社員の暗黙知を集合知化すること。つまり、組織の枠を超えたコラボレーションとボトムアップ環境を作ることで、EGM(Employee Generated Media)形成が期待されている。EGMによって、「見える化=見せる化」が進み、「見えること」が現場力を高め、社員の思考や行動様式が改善されていく、そして足腰の強い企業へと進化させていくことができるであろう。

(中略)エンタープライズ2.0の導入において、検討していくべき課題となるのは、大きく分けて「ガバナンス」「セキュリティ」「収益への貢献」の3点が考えられる。

また、ヒューマン×プロセス×テクノロジーの三位一体となった取り組みが必要であるという点も指摘していました。

当時は、エンタープライズ2.0は思うようには浸透しませんでした。まだまだ、人々の意識が高くなく、テクノロジーも未成熟でした。また、Web2.0は注目されていた時期で、ソーシャルメディアのようなつながりもまだまだ十分ではありませんでした。

今回のソーシャル・イントラネットはある程度の条件がそろってきているように見受けられます。果たして、企業内に根付いていくのか、2007年の時期のようにブームで終わってしまうのか、動向が注目されるところです。

 

 

※担当キュレーター「わんとぴ

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