「データセンターデザインガイド」と「データセンターファシリティ・デザイン・スタンダード」について
「データセンターデザインガイド」と「データセンターファシリティ・デザイン・スタンダード」について
先週、日本のデータセンターと国際競争力について5回にわたってブログを書かせていただきましたが、データセンターの国際競争力強化に向けた取組みは、様々な形で検討されています。
日刊工業新聞(2009.11.25)によると、日本データセンター協会(IDCC)は、データセンターの国際競争力強化の取組みに着手し、業界標準団体のグリーングリッドと協調し、「データセンターデザインガイド」の草案に、日本基準を特記事項で盛り込むことで協議に入ったという内容が書かれています。
日本は電力供給が安定しているため、欧米基準を適用するとオーバースペックとなる一方、地震が多い日本は免震事項は必須であるとしています。これらを明文化
することで、設備面での過剰な設備投資を抑えるとともに、治安の良さなどを含めた日本のデータセンターの優位性を世界にアピールしていくとしています。
さらには、日本独自の「データセンターファシリティ・デザイン・スタンダード」を2010年3月に策定する予定とのことです。
本策定にあたっての参照ガイドラインは、
米国暖房例空調学会(ASHRAE)
米国電気電子学会(IEEE)
ベースとして組み込むのは、
金融情報システムセンター(FISC)
電子情報技術産業協会(JEITA)
見直し・追加修正するのは、
米DC用設計規格「TIA-942」
米国のDC品質評価基準「Uptime-Tier」
となっています。
この中には東京都の改定環境保護条例で定められたCO2排出基準の中に、データセンターに特化した枠組みを設けることを要望するとしています。
最後に、現行基準をデータセンター事業者にも一律で適用した場合、事業として成り立たず、国際競争力を失い、海外にデータセンターが出て行ってしまうというリスクを指摘しています。
日本のデータセンターが国際競争力を高め、アジアの情報などを中心のハブ的機能を持つというためには、様々な視点で検討していくべき事項があるでしょう。アジアにおいてはシンガポールに外資のデータセンターが集中的に設置されている中、日本のデータセンターのあり方が、今改めて問われていると言えるのではないでしょうか。