総務省「グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース」について
総務省は10月30日(金)、「グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース」の4部合同部会の第一回を開催しました。今回は、インターネットで中継をしたというのも画期的でした。私自身も10分程度、中継模様を見させていただきました。
本会合の当日模様は、ITPro「ICTを全国民が等しく選択できる環境整備目指す――総務省タスクフォース」でも概要を知ることができます。
なお、本部会は以下の4つの部会から構成されています。
1. 過去の競争政策のレビュー部会
2. 電気通信市場の環境変化への対応検討部会
3. 国際競争力強化検討部会
4. 地球的課題検討部会
構成員は総勢36名と豪華な顔ぶれとなっています。
本タスクフォースの基本的な考え方は、以下のとおりです。
日本が、少子高齢化や国際競争等の様々な問題を抱えている現状において、ICTが国民の活動にどのように貢献していくかが、大きなテーマとなっています。
それぞれの部会の方針については座長を中心に述べられていましたが、配布資料を少し見てみたいと思います。まずは、「過去の競争政策のレビュー部会」です。
フリーディスカッションの中では、経済評論家 勝間和代氏が男女共同参画の推進や少子化対策の視点、岸博幸 慶応大学教授はコンテンツ政策の視点、そして、経済ジャーナリストの町田徹氏はユニバーサル・サービスやアンバンドル規制の視点から意見を述べられています。
次に「電気通信市場の環境変化への対応検討部会」の部会を見てみましょう。
座長の山内弘隆一橋大学教授は、放送と通信の融合やNTTのあり方について、本部会の中で議論することを述べられています。またフリーディスカッションでは、原洋インターネット総合研究所代表取締役所長がFMCや環境ICTの視点から意見を述べられています。
続いて、「国際競争力強化検討部会」です。
フリーディスカッションでは、三浦惺 NTT 代表取締役社長が医療や介護、教育、環境の視点とアジアから世界展開という視点で意見を述べられています。孫正義 ソフトバンク 代表取締役社長は国際競争力には教育機会の均等という視点で意見を述べられています。また、矢野薫NEC 代表取締役執行役員社長はファイナンスや政策競争の視点で意見を述べられています。
最後に、「地球的課題検討部会」です。
金子郁容 慶応義塾大学大学院 政策・メディア研究化教授は、ICTを活用し社会問題を解決することができれば、世界のリーダになれると述べられています。また、村上輝康 野村総合研究所 シニア・フェローはICTでユニバーサル・サービスを生み出すべきと述べられています。
今回のタスクフォースの目玉の一つに、タスクフォースが終わって報告書を出してアクションをするのではなく、その時々においてできるものから即政策として実行していくという考えを示しているところにあります。
これのタスクフォースで議論された内容がどのように政策に反映されていくのか、注目されるところです。