ブログ・SNSの経済効果
総務省情報通信政策研究所は、7月13日、「ブログ・SNSの経済効果に関する調査研究」を公表しました。ブログ及びSNS(ソーシャルネットワーキングサイト)について、2008年度の市場規模を推計した結果を取りまとめたものです。2009年1月時点で、ブログ登録者数は約2,695万人で月間PVは約205億、SNS会員数は約7,134万人で月間PVは約439億となっています。
調査結果のポイントは以下のとおりです。
- 2008年度のブログ市場規模は、約160億円と推計。関連市場も含めると、約1961億円と推計。
- 2008年度のSNS市場規模は、約499億円と推計。関連市場も含めると、約568億円と推計。
- 2010年度のブログ市場規模は、約183億円、2010年度のSNS 市場規模は、約717億円となると予測。
ブログとSNSの市場を比較すると、ブログはブログ自体の市場は低いものの関連市場が10倍以上とビジネスの裾野が広いことがわかります。一方、SNSについてはブログの4倍以上の開きがあるものの市場は3分の1にも満たない状況です。なお、各々の市場の位置づけは以下のとおりです。
(出所:ブログ・SNSの経済効果に関する調査研究 総務省情報通信政策研究所 2009.7.13)
ブログの市場は、EC(約43%)及び広告(約42%)が8割以上を占めており、関連市場については、99.7%(1801億)がECとなっています。ブログでAmazon等のアフィリエイトに誘導するといったケースが多く、ブログを読んで商品を購入した方も多いのではないかと思います。
一方SNSの市場の場合は、広告(約55%)及びサービス(約42%)が97%を占めています。大変興味深いのは、SNSの場合はアバターやゲームのアイテム課金等のコンテンツといったサービスの市場が多く、ECが少ないという点です。関連市場では99.8%(69億)がECとなっているのですが、ブログの1801億円とは大きく開いています。
ブログの2010年度の市場規模は約183億円(2008年度:約160億円)、SNSの市場規模は約717億円(2008年度:約499億円)と予測しています。本調査を見る限り、SNSのほうが市場成長が見込まれているようです。ブログとSNSはサービス自体が似ている気がしますが、ビジネスモデルは大きく異なっているように見受けられます。サービス事業者にとってはSNS、そしてユーザ側にとってはブログというのがビジネスとしては魅力的に写るのかもしれません。
いずれにしても景気が低迷している中において、ブログとSNSの市場成長が予想されており、経済への影響力は年々増していくことになるでしょう。