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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

マイクロソフトのSaaS・クラウド広告ビジネス

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米マイクロソフトが7月13日に、オンライン版Officeを提供することを発表しました。Officeのワードやパワーポイント、そしてエクセルなどの機能をオンラインで利用することができ、個人向けユーザについては無償での提供を予定しています。先行するGoogle Appsの強力なライバルとなり、Officeのこれまでの高いシェアを考えると、Google Appsの利用ユーザ数を短期間で上回る可能性も十分に考えられるでしょう。今後のGoogle VS Microsoftのシェア争いが注目されます。

マイクロソフトのビジネスモデルに関して大変関心のあるところは、広告ビジネスです。個人向けサービスは無償で提供するということから、Google Apps(無償版)と同様に広告を配信するようです。個人ユーザがOffice製品を利用する場合、通常数万円程度でソフトウエアを購入することになりますが、少なからず無償版に流れることが予想されるため、広告モデルがどの程度収益に貢献するのか注目されるところです。

特に個人ユーザは安価なネットブックの利用が進んでおり、無料のオンライン版Officeをセットで利用することは十分に考えられます。つまり、これまでマイクロソフトのドル箱の個人向けのOffice市場を自らの手で縮小させるリスクもはらんでいると言えるでしょう。

一方、有料でSaaS・クラウドを提供している日本ベンダにとっては、シェアの高いソフトウエアの無料版の登場は、当然脅威にうつるでしょう。ユーザは、サービスとしての恩恵を受けることができる反面、マイクロソフトのスケールメリットを生かした(SaaS・クラウド広告を含む)ビジネスモデルは、日本ベンダが束になって対抗策を考えていく必要が出てくるのかもしれません。

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