クラウドはすでに起こった未来の世界
クラウドコンピューティングに関する情報交換をする際に、クラウドはこれまでの仕組みとほとんどいっしょと指摘するケースをよく目にします。
「クラウド・ビジネス」入門の第四章において、P・F・ドラッカーの『経営論』の中の言葉を用いて、クラウドコンピューティングとは、「すでに起こった未来の世界」と表現させていただきました。以下引用です。
ドラッカーは、10年後、20年後に影響をもたらす、今現在すでに起こり後戻りできないことについて知ることは、未来を知る前提となると言っている。しかもそのようなすでに起こった未来を明らかにし、その未来に備えることは可能であるとしている。
クラウドコンピューティングの潮流はすでに起こっている事実であり、10年後、20年後に言葉は変わったとしても本質的な流れが後戻りすることはなく、これまで以上にクラウド化の流れが未来に向かって進んでいくことが予想されます。
未来はさらに情報が増えることが予想されるため、クラウドのデータを預かるデータセンターの需要はさらに増していくことでしょう。
重要なのは、すでに起こった未来の世界に対して、企業、個人がどのような行動をとっていくのかということがポイントになるかと思います。企業はクラウドを理解しどのように使いこなしていくのか、クラウドサービス提供事業者は熾烈な競争に打ち勝つためにどのようなビジネスモデルを描いていくのか、政府等は日本にどのように情報を誘致していくのか、そして個人はクラウド化の流れに対してどのように情報を活用していくのか、といった未来に向けた戦略を描いていく必要があるでしょう。
クラウドはまだまだ定義が曖昧ですが、議論をしていると未来のことを語っていると感じることが多々あります。これをいかに個々のメリット/利益に誘導していけるのか、未来に備える行動が大切になっていくのではないでしょうか。