「利用」から「保有」へという選択肢
クラウドコンピューティングにより、システムを「保有」することから「利用」するという流れが進んでいます。システムを「使用」することにより初期投資の
削減や運用・保守からの解放、そして、PaaSといった基盤上でアプリケーションの開発や運用環境を利用できるなど、多くのメリットがあげられます。
一方、「保有」から「利用」ではなく「利用」から「保有」といった流れもあるようです。ITmediaの「ディップ、情シスをSaaSからパッケージソフトに「逆移行」 コスト7割減へ 」の記事によると、
独自のカスタマイズ、システム連携、オプション追加等を考えると、SaaSよりも安価に運用できると試算し、パッケージソフトに移行しています。オプションの追加を考えた場合、SaaSよりも安価に運用できると試算したとのことです。
一
軒家を購入するかマンションを賃貸するかという議論があります。5月13日のワールドビジネスサテライトでは、年々マンションの管理費が高騰してきている
ということがとりあげられていました。価格が高騰する背景には様々な理由があるかと思いますが、取り巻く環境により、SaaSの価格も将来的には上昇して
いくことも考えられます。その場合、情報を長年預けているため、値上げになっても泣き寝入りということにもなりかねません。
企業の
規模や長期利用や利用頻度などによっては、SaaSを選ばないという選択肢は十分に考えられます。クラウドコンピューティングがもてはやされつつある今だ
からこそ、冷静になって、自社にとってクラウドに移行していくことが果たしてメリットの大きいものなのか、様々な観点から整理していくことが重要になって
きているのかもしれません。