サイバー特区におけるメタバースの教育実験とコンテンツ流通整備
総務省が、メタバース(仮想空間)に本格的な取り組みを実施するようです。総務省は、4月21日、「ICT先進事業国際展開プロジェクト」の実施テーマの決定を公表しました。実施テーマを大きく分けると以下のとおりとなります。
- ICT重点3分野途上国向けモデル事業(ユビキタス・アライアンス・プロジェクト)
- ICT先進実証実験事業
- ICT利活用ルール整備促進事業(サイバー特区)
ICT利活用ルール整備促進事業においては、サイバー特区を創設し、ネットと現実の融合として、メタバースに関する実証実験とルールの整備を行います。具体的には下記の表にあるように、
「遠隔地教育での履修認定に向けた、仮想空間内での教育/試験実証実験」で仮想空間を活用し、認証形式の検証や遠隔教育の効果の確認、そして教育等の現場に導入するルールの整備を行うとしています。教育現場においてはeLeaning等が普及してきていますが、仮想空間の活用によって、eLeaningよりさらに一歩踏み込んだ遠隔教育の検証がされると思われますが、どこまで浸透するのか注目されるところです。
また、「デジタルコンテンツの管理流通ルール整備促進事業」においては、メタバース(仮想空間)を利活用した1次創作物ライセンス管理ルールと2次・3次創作物流通ルールの整備を行うとしています。様々なコンテンツのライセンスを登録クリエイターに開放することによって、2次、3次コンテンツの制作できる環境を用意します。そして、複数の仮想空間に、同期・非同期配信、オブジェクトとして供給することによって、ユーザーの消費動向を調査解析し、流通ルールのガイドラインの制作を行うとしています。これからの取り組みの中で、コンテンツの再利用といった著作権保護の課題や権利者のための利益還元の仕組みが検討されるようです。
最近は仮想空間の情報を追いかけていないので、仮想空間はどこまで普及し、教育やコンテンツ流通促進にどこまで展開されるのか定かではありませんが、政府がサイバー特区を創設し、今後展開される仮想空間を支援する具体的な施策が注目されるところです。