メモと感想: [特集]SaaS本番へ! 「保有から利用へ」を加速する
IT Leaders の3月号に「〔特集〕SaaS本番へ!『保有から利用へ』を加速する」という特集が組まれていました。なかなか読み応えがありましたので、少しメモを共有しておきたいと思います。
目次は、
PART1 「新市場巡る主要ベンダーの動き」
PART2 「大同団結うたうNTTグループ」
PART3 「SaaSの基本とテクノロジー」
PART4 「PaaSはどこまで実用的か」
PART5 「先行指標となる米国最新事情」
PART6 「座談会~国内市場を展望する」
PART7 「カテゴリ別の主要SaaS一覧」
です。各PARTごとに少し整理をしてみたいと思います。
PART1
PART1 の「新市場巡る主要ベンダーの動き」では、SaaS基盤を中心に各社の取組みが紹介されていました。NECの「RIACUBE」や日本ユニシスの「ビジネスパーク」、富士通の「SaaSプラットフォームサービス」。それから、通信事業者では、NTTの共同のSaaS基盤事業、KDDIの「Business Port」が紹介されています。
ソフトウエアベンダは、ピー・シー・エーの「PCA for SaaS」、オービックビジネスコンサルタント(OBC)が4月に「奉行 for SaaS」、そして弥生も2009年中にはSaaSとして提供するようです。また、NIJSのSaaS基盤事業も紹介され、NTTコミュニケーションズとの技術検証も紹介されています。
海外のベンダでは、IBMの「LotusLive」、マイクロソフトの「Dynamics CRM online」、「Azure Platform」、オラクルの「CRM ond Demand」などが紹介されています。
PART1の最後には「日本のIT企業は、どんな立場を確保できるのか」と書いているように、積極的な攻勢をしかける外資系のIT企業に対して、どのような対抗策を展開していくのかが注目されます。
PART2
PART2 の「大同団結うたうNTTグループ」では、NTTグループのSaaS共通基盤整備の記事が組まれています。NTTグループのSaaS基盤に積極的にソフトウエアベンダを誘致していくことを進めています。既に外資系の大手では、マイクロソフトやセールスフォース・ドットコムとも提携しており、今後どのような提携やサービスを展開していくのか注目されます。最後に「NTTグループの取組みは日本のSaaS市場を拡大し、そこへのシフトを加速させる大きなエンジンとなることは間違いない」と書かれているように、NTTグループの動きが、日本のSaaSの動向を大きく左右するといえるかもしれません。
PART3
PART3 の「SaaSの基本とテクノロジー」では、基本的なSaaSの技術が紹介されています。マルチテナント、連携APIの提供等、ASPの違いについても触れられています。それから、PaaSについても触れています。PaaSは、セールスフォースの「Force.com」などが紹介されています。最後に、「SaaSだけでなくPaaSにおいても既に差がついているということは認識しておくべきだろう」と書かれています。現時点での日本のIT企業との差は歴然としているようです。仮に、日本のIT企業がPaaS事業を国内において本格的に展開したとしても、外資系のスケールメリット(規模の経済)に太刀打ちできるのかどうかが、大きなポイントになるかと思われます。
PART4
PART4の「PaaSはどこまで実用的か」では、主にセールスフォース・ドットコムが提供する「Force.com」を例をとりあげ、開発技術等について紹介されています。
PART5
PART5 の「先行指標となる米国最新事情」では、SaaS専業ベンダ、企業アプリケーションベンダ、ISV(独立系ソフトウエアベンダに分類し、それぞれのプレイヤーの位置づけなどが紹介sあれています。2011年~をSaaSの第3世代とし、企業間SaaSが、ユーティリティ料金、新しいビジネスサービス等が展開されるとしています。
PART6と7は省略しますが、最後の締めくくりに「SaaSを活用するには、今にも増した情報収集力が必要となる」と書かれています。一度SaaSに企業情報を載せることになれば、多くのメリットが享受できますが、デメリットがあるこことも事実です。だからこそ、SaaSかそうでないかのポートフォリオの設計が必要であり、今よりも増して、ITを経営に使うといった発想が求められることになるでしょう。