情報通信産業の雇用状況
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経済危機により、雇用状況が悪化し、新卒の採用状況も減少傾向となっています。このような環境の中でも雇用状況が比較的安定している業界もあります。
総務省は、3月13日、「情報通信産業の経済動向報告(2008年第4四半期) 」を公表しました。
公表のポイントは以下のとおりです。
- 米国の景気減速等により景況感は前期より更に悪化。情報通信製造業に係る生産・出荷は大幅に減少し、在庫も大幅に増加。
- 情報通信産業の設備投資は、減少傾向が続く。
- 情報通信関連の消費支出は7四半期ぶりに前年比で減少。
- 情報通信関連の機械受注は全体として減少幅が拡大。
- 情報通信関連の物価は下落傾向が継続。
雇用者数は、情報通信関連業種の雇用は増加傾向にあります。2008年10~12月期は前年差9万人増となり、前期(同16万人増)と比較して増加幅は縮小していますが、この状況を考えると、かなり好調といえるのではないでしょうか。
雇用者数全体に占める情報通信関連業種の合計シェアは約5.5%、このうち情報通信業のシェアが高く約3.7%と、双方とも前期よりわずかに上昇しています。
NTTドコモは、2010年度をNTTドコモグループ全体での新卒採用数を09年度の300人から2割増やし、360人とする計画を明らかにしています。就職ランキング等を見ても比較的上昇傾向にあります。
特に移動通信分野においては、WiMAXや次世代PHS、そして、LTE(スーパー3G)など、今後の設備投資や新サービスの登場等が期待されます。固定通信においても、NGN(次世代ネットワーク)など、そして、将来は、IPを使わないNWGN(新世代ネットワーク)についても検討が進められています。
情報通信分野は、やはり企業の活動において必要不可欠なネットワークであり、クラウドコンピューティング等に市場成長があるように、ネットワークへの依存度は益々大きくなっていくことが予想されます。
雇用全体の状況は厳しいものの、情報通信産業の雇用状況は、比較的底堅いのかもしれません。
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